その他

10連休余話

この10連休の前半は合宿や出雲出張などで仕事。後半は軽めの予定
がいくつかあるほかは、全時間、読書や計画にあてるつもりだった
しかし予定通りにならないことがしばしば起きる。

5月4日(土)、ある勉強会に参加した。閉会後、皆で焼肉店へ行く
ことになった。名古屋駅前の地下街を抜けて「KITTE名古屋」に向かう。
ゲートをくぐるその瞬間、私の前を歩いていた若い女性が両耳をふ
いだ。

「イヤですね、この音」と私を振り返る。何も聞こえない私がキョ
ンとしていると、「若者が出入口にたむろできないようにワザとモ
キート音を流してるんですよ」と言う。

「なるほど、これが噂に聞いてたモスキート音ってやつか」
私も音をじっくり聞いてみようともういちど戻ってゲートの下に立
たが何も聞こえない。
「武沢先生、やだ。本当に聞こえませんか?」
「聞こえないよ。みんなはどうなの」と周囲の数人に確認してもら
たが、皆50歳以上だったため、彼女にしか聞こえないことがわかった。

時折、電車のなかでお年寄りが携帯の音をピッピと鳴らしている
それだって本人には聞こえていないか、さほど気になる音ではない
能性がある。高周波の音は大人には聞こえず子どもだけが聞こえる
それを逆手にとって、若者がたむろしないような装置をつける商業
設があるということだ。

ちなみにこちらのYouTube動画でもモスキート音を出している。
最初は60代でも聞こえる低周波音だが、徐々に周波数が上がり聞こえ
なくなるはず。あなたの耳は何歳だろうか。

→ https://www.youtube.com/watch?v=xp2ciuhLj90

5/5(日)
前日においしい焼肉を腹一杯いただいた翌朝、体調に異変が起きた
食べ過ぎたのか、それとも生肉のユッケがよくなかったのか。朝食
喉を通らず、寝起きにもかかわらず再びベッドに向かった。
体温を計ってみると、8度4分ある。「モスキート音の浴びすぎか」と
思ったが、そんなはずはない。
その日は終日ベッドに横たわっていたが、夕刻になると平熱に下が
身体も楽になった。

5/6(月)
連休最終日を大切に過ごそうと思っていたのに、今日は朝から下腹
に鈍痛がある。体温こそ平熱なのに、ジッとしていられないほどの
みがある。ついに耐えかね、休日でもやっているM病院に向かった
問診では「焼肉の召し上がりすぎと冷えたビールによる胃腸炎でし
うね。炎症を抑えるクスリを処方しておきます」と言われた。

「ちょっと待ってください」
私は胃腸炎ではないという確信があった。なぜなら、2月も3月もこれ
に近い症状が出ている。
さらにいえば、私にとって最初の大病は高一のときの10日間入院だが、
そのときも今回と同じようような症状だった。
尿意があるのに尿がでないし、やたら下腹部や腰周辺が痛む。それ
高熱が出る。高校生の時には医師も首をかしげ、「腎臓周辺の異常
しょうが病名は不明です」と言っていた。スキャンがない時代だっ
のだ。

そう訴えると医師は「CTスキャンしましょう」と言った。15分後、
スキャンの結果が出た。

「尿管結石」だった。

手術するほどの大きさではないので、漢方と座薬が処方された。石
出るまで毎日水を2リットル飲む必要がある。かなりしんどいが結石の
痛みに比べれば大したことではない。水ぐらいどれだけでも飲んで
る。

とんだ連休の締めくくりとなったが、高校一年のときの原因不明
病気が50年経って判明した。あのときも結石だったのだ。それが分か
っただけでも良しとしよう。
今、この瞬間も結石が体内にある。左腰あたりに微弱な鈍痛があるが、
早くこいつを取り去って、ベストコンディションにせねばと思う。
それも大切な仕事だから。