「AIを制するものが未来を制する。AIの価値を分かっている
なぜ真剣に取り組まないのか」
孫正義氏の言葉である。
今後数年でGAFAのような会社がAIの分野から出る、とも語る
私もそれに異論はないが、問題は誰に対してそう言っているかであ
少なくとも中小企業の経営者に向けては言っていないはずだ。
投資家として、起業家として挑戦する姿勢を言っているのである
インターネットビジネスでは米中勢に劣勢の日本。AIで同じテツ
むわけにはいかないという覚悟もそこにある。
しかし我々AIを利用する側はまだやれることは多くない。AI
よちよち歩き。人間という大人がついててあげないと一人では何も
きない。
AIはすごい、という期待が先行し過ぎて、メディアは少々浮き足
ているのではないか。中小企業の経営者が喜ぶようなソフトはまだ
とんどない。
それが『第3回 AI・人工知能Expo』(4/3~5開催)に参加した私の
感想だ。正直いって、もっとワクワク興奮するものだと思っていた
でガッカリした。
こちら↓にイベント風景の画像が載っている。
https://www.ai-expo.jp/ja-jp.h
人だらけに見えるし、場内にいるとたしかに盛況感は感じられる
それは単純に会場が狭いからだ。あとで述べる入場者数はさほど多
ないのである。
AI関連市場は開発側や売る側が躍起に技術自慢をし、買い手もそ
あおられて「うちも早く導入しなきゃ置いていかれる」と前のめり
なっている。
だが冷静になって考えよう。
AIの時代は来ると思うし、AI活用によって人々の暮らしもビジ
あり方も会社経営も一変すると思う。だが、それには時間が必要だ
インターネット全盛の今、スタートはパソコンブームやWindo
があり、その後にインターネットがやってきた。
AIに関してはまだ一部のオタクが熱中するパソコンブームの時代
り、WindowsやExcel、Wordに相当する汎用アプリ
のである。
4月3日(水)から三日間開催された『第3回 AI・人工知能Expo』は
昨年比1.5倍にあたる250社が出展した。
しかし来場者は三日間で48,739人と前年比2,416名増。
か増えていない。騒がれている割には人が増えていない。
入場者は一日あたり1.6万人。これはモーターショーやコミック
ット、国際工作機械見本市などと比べると10分の1から20分の
規模である。AI関連は稼働している人はまだ一部なのである。
だが私たちはAIに無関心でいるわけにはいかない。来年は4月
ら三日間開催されると聞いたが、おそらく様相は一変していること
ろう。いや、一変させないと日本のAIが世界に置いて行かれるか
れない。
今年の展示で目立ったのは、AIを搭載したカメラが瞬時に性別
齢を判定しそれをデータに活用するアプリや、コールセンター対応
AIロボットが代行するもの、営業アウトバウンドをAIロボット
もの、自動応答してくれるチャットボットなどだ。
いずれも新聞や雑誌での既視感があるものばかりだったが、一部、
営の現場で使えそうな掘り出しものアプリを見つけた。
たとえば、長文の論文やWebサイトの記事を瞬時に要約してし
プリや、会議の模様を専用のAIスピーカーをつかってリアルタイ
事録をつくるアプリなど、ホォーと言わせるものが数個見つかった
それらについては展示会から戻ったこれからもチェックしていくつ
りだし、ここでもご紹介することがあるかもしれない。
期待が大きかっただけに今年のAI Expoは収穫が少なく肩すかしをく
らった感がある。それは私たち企業経営者がソフト開発者にほしい
を伝えていないからでもある。そういう意味で責任は他人だけにあ
とは限らない。