次回からBarで仕事を聞かれたら「運び屋です」と答えること
う。たいてい相手は信用しないだろうから、「何の運び屋か知りた
?」とこちらから言う。「聞きたい」というだろうから「会社経営
魅力の運び屋」とでも言おうか。
実話ベースの90歳の運び屋を演じたのはクリント・イーストウ
(88)。伝説の運び屋といわれた実在の男で、なんども捜査の網
っかかりそうになりながらも、その都度、機知に富んだ対応で切り
ける。そんな映画『運び屋』(3/8公開)を観てきた。
座席は「キングカズシート」。サッカーの三浦カズ選手がバス移
ではかならず最後列の進行方向左端にすわることから、その場所を
う呼ぶようになったらしい。
映画館のこの席、悪くない。どんなに中央のど真ん中でも前後左右
人だらけだと集中できない。ところが、この席はまず周囲に他人が
ないから映画に集中できる。遠くて端っこであるから見づらいと思
れるかもしれないが、そんなことはない。一度お試しあれ。
映画のエンドロールが終わり、場内が明るくなった。
「良かったね」と私。家内も気に入ったようで88歳のイーストウ
が「かっこいいし素敵」とご満悦の様子。
コートを羽織りつつ立ちあがろうとしたらコーヒーカップを引っか
た。すこし残っていたコーヒーが椅子にこぼれた。先に気づいた家
がティッシュでそれを拭く。
映画館の近くの専門店でカレーを食べていたらスマホがないこと
気づいた。コートにもバッグにもない。
「また忘れたの?」と家内。去年の暮れにはバンコクでiPhon
シーに置き忘れ、今年の2月にはベトナム航空の飛行機にKind
忘れ、そしてまた。黒いボディに黒いカバーだから目立たないとい
のも忘れる理由かもしれない。
映画の最後にコーヒーカップを倒したどさくさで、カップフォル
ーに立てかけたスマホのことを失念したようだ。
あわてて映画館にもどり、スタッフに訴える私。次の放映が始まっ
いるのでスタッフもお客様も館内には入れない、という。二時間後
奥様の携帯に電話する、とのことだった。
私はオフィスで仕事があるので家内にあとを任せた。
二時間後、家内からオフィスに「出てきたよ」と連絡がきた。
「可愛い子には旅をさせろ」というが、スマホにとっても、旅はこ
で充分だろう。
家内が「スマホを首からぶら下げなさい」というのでストラップを
い、さらには置き忘れ防止タグをネットで注文した。その装置を財
に入れておけば、スマホから一定の距離以上離れると音が鳴る。
あと、今日の午後にでもApple Storeに行って、白か黄色のスマホカバ
ーを買ってくる。これだけやれば、二度と置き忘れることはないだ