次の問いに答えてほしい。
「働き方改革」をすすめる上で最大の障害は何か?(制限時間1分
この「」内にあなたの答えを書いてほしい。
「 」
私の意見を申し上げよう。
それは「勤勉さ」である。
働き方改革を妨げているものは「勤勉を美徳とする評価基準」であ
楽してはいけない。労働者は額に汗し、寸暇を惜しんで勤勉に働く
き、という信念が私たちの身体に染みついていないだろうか。
ドイツの軍人ハンス・フォン・ゼークトはこんな教訓に満ちた言
を残している。
・・・
有能な怠け者は司令官に、
有能な働き者は参謀にせよ。
無能な怠け者は、連絡将校か下級兵士にすべし。
無能な働き者は、すぐに銃殺刑に処せ
・・・
有能な怠け者を最上位に置き、無能な働き者を最下位に置いている
だ。
ビルゲイツもそれに近いことを言っている。
・・・
難しい仕事があるとき、私は怠け者に任せる。
だって怠け者は、仕事を簡単に片づける方法を見つけ出すからね。
・・・
天才に怠け者が多いのもそのせいかもしれない。
レオナルド・ダ・ヴィンチもその代表で、彼は相当な「先延ばしタ
プ」だった。
「岩窟の聖母」を描くときも、最初の契約では7ヶ月で完成させる
ずだったが、実際に要した期間は25年。
77cm×53cmの「モナ・リザ」を完成させるのに15年の歳
る。
以前にもご紹介したが、建築家のフランク・ロイド・ライトも勤
とはほど遠いタイプだった。見ようによっては、仕事嫌いに思える
どで、「ライトはクライアントとの重要な打ち合わせの直前まで設
図を書くのを引き延ばした」と友人が証言している。
”死ぬまでに一度は見たい建築”といわれる「落水荘」はライト
代表作だが、この建築の図面を書きはじめたのは、クライアントが
まから車で二時間ちょっとでそちらに着くと電話をしてきてからだ
た。ライトは追いつめられた状態で創造性を発揮し、天才的な仕事
した。
今日の締めはサミュエル・ジョンソン(英国文学者)にお願いし
う。
・・・
多忙という威厳をまとった怠惰に、
人は何よりもたやすくひきつけられる
・・・
「勤勉は怠惰である」という新常識をもつ必要がありそうだ。