セミナー会場の受講者の席に「いいね!」ボタンが欲しい。
何な
反応がまったくつかめないセミナーほどやりにくいものはない。
自
その日は、そんな具合に憤慨していた。
「入社して半年になりますので新人たちに激励講演を」と頼まれ
資料を準備して当日を迎えた。
すると、講演直前の講師控え室に社
「武沢先生、うちの新人には数字のことをまったく教えてきていま
「わかりました。乗りかかった船です」と次の二部構成で講演する
第一部:ビジネス数字の基礎知識
第二部:激励講演
妙な感じの二部構成だが、やむをえまい。
問題はそのあと起きた。
二部構成にしたことが問題だったのか、それとも私の話があまりに
理由は分からない。
私が何を話してもキョトンとしている。
そこに座っていることが
私も確かめたくなってきた。
「ここまでのところで何か質問か感想がありますか?」
1~2名の例外をのぞいて、誰一人目を合わせようとしない。
3
「いいですか、この箇所は大事なところなんだから、必ずメモをと
「講師にリアクションしたら負け」とでも思っているのだろうか
賛意もなければ反意もないし、質問もない。高校生のように初心(
半ばまできたとき、「今日は2時間もらっているけど、もうこの辺
閉会後、控え室で「指導がいたらず、申し訳ありません」と社長
私は半分冗談、半分本気で次のように申し上げた。
「座席に『いいねボタン』『わるいねボタン』でも置いて、リアク
日頃、顧客や社内でのコミュニ
その日、思い通りにならない私は感情的になっていたようだ。
冷静に新人諸君を見てやることができず、帰りのタクシーでも「も
だが、何日か経って、別のことに気づいた。
彼らの不思議な目は、実は何かを怯えている目だったのではないか
日ごろ、仕事で目標を達成していないそうだ。
上司や先輩に叱ら
「社長と武沢さんは一蓮托生。今日の研修で自分は何を叱られるの
私の負けだ。
新人に負けたのではない。
自分の役割を理解せず、彼らの深意を知
彼らにいま必要なメッセージは別のものであり、私の別の態度だっ