その他

分かっている人といない人の違いを見抜く方法

セミナーのあとで聞きたくない感想の第一位がこれ。

「改めてその重要性を再確認させていただきました」

要するに「前から知っていた」というメッセージである。
ベテラン経営者がそういうならまだ分かるが、20代の若手からそうした感想が出ると、ガッカリする。

私が言いたいのは「知っていたのに出来ませんでした」は、「知りませんでした」と同じ意味だということ。
潔く「知りませんでした。今日初めて知りました」と認めたほうが行動につながるはずだ。

現役東大生の西岡 壱誠氏が書いた『東大読書』は、今までになかった読書の心得と技術を説いた好著だ。
この本のなかに「短い言葉で言い表せなければ、理解していないのと同じ」という指摘がある。
たしかにその通りだろう。

今後もし「分かってます」「知ってます」「再確認しました」と言う人がいたら、その人に説明してもらうことにしよう。
長々と説明をはじめたり、しどろもどろになるようでは「分かったつもり」になっていただけのこと。

私は道を尋ねるとき、何となく分かったつもりになってすぐにそちら方向に歩き始めてしまうことがある。
その反対に、入念に道順を確認してから歩き始める人もいる。
性分の問題なのでどちらでも構わないが、学習という点でみれば、軽はずみに分かったつもりにならない方がよい。
昔から、先生役になると成長するといわれるのは、「分かったつもり」のところがすぐに露呈するからである。
メルマガを書くと成長するのは、あやふやな箇所があると書けなくなるからである。
(話術ではごまかせても文書ではごまかしがききにくい)

今後、出来ていないことは「分かっています」とは言わず、「知りませんでした」と潔く認めよう。
「今日初めて知りました。本日よりさっそく実行します」と言える自分が明日をつくる。