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金融業とユダヤ人

※日本サッカー8強ならず。
ベルギーに悔しすぎる敗北。
世界の壁に阻まれました。
日本にとっては収穫の多い大会だったはずです。
以前から指摘されてきた「決定力不足」は今回大会においては露呈しませんでした。
むしろ、よく点を取りました。
特にベルギー戦後半開始早々の2得点に日本サッカーの未来を見る思いです。
1点目は1本のスルーパスから俊敏な抜けだし、そして精度の高いシュートが決まり、2点目はミドルシュートですが、これも精度が高かった。

試合直後、インタビュアーが「何が足りなかったですか?」と愚問を発していたが、当事者たちに分かるわけがない。
終了ホイッスルが鳴るまで勝つつもりでやっているのだから。

足りないものがある、という前提の質問も失礼だ。
足りないのは何もない。
20年連続 W 杯出場を果たし、一回おきに決勝トーナメントに出ていることに誇りをもとう。
挑戦をくり返し、国際試合の経験を積んでいけば世界のトップに立てる日が必ずくる。

さあ、このあとはどの国が勝ち残るのか、注目しよう。

●昨日のつづき。

「どうやら日間賀島で金が採れるらしい。必要な機材が揃い次第、発掘に出かける。ついては、一口10万円の株を1000株発行し機材購入や諸経費にあてたい。あなたもひと口乗りませんか?」

この株券の発行者が株式会社であり、購入者が株主である。
自分ひとりでリスクを負うのは大きすぎる場合、こうして第三者(株主)の資金を募り、事業を開始した。
実際に日間賀島で金が採れて、利益が出たら出資分に応じて利益が分配される。
それを配当という。配当実績がある人間は評価され、次の株式発行がしやすくなる。
こうした資金調達を直接金融という。

後になって銀行という便利な組織ができ、そこからお金を借りることで資金を調達できるようになった。
これを間接金融という。
他に、「保険」や「債権」「商品先物」といった金融商品が続々と生まれてくるが、これらはすべて中世ヨーロッパのユダヤ人が考えたと言ってよい。

なぜユダヤ人が金融業を始めたのか。それは迫害されたからである。
それしか生きる道がなかったからである。
11世紀において権勢を誇ったバチカンのキリスト教会が異教徒であるユダヤ人から仕事を奪った。
ユダヤ人に許された職業は、職人や行商人、農民、それに高利貸しだけだった。

高利貸しとは、今の質屋のように何かの担保を預かって金を貸す商売である。
ほかには、金塊を預かって手数料を払い、その金塊を他人に貸して金利を取る仕事もはじめた。
利息のさや取りである。
また、両替商(貿易外貨決済)も考案した。
両替のたびに手数料をとったり通貨間の相場変動で為替利益を得るような商売を考案していった。
そのほか、債券や保険といった金融商品も生みだしたり、銀行を始めるなど、金で金を稼ぐ金融業を成立させていった。

元来が優秀といわれるユダヤ人。それはイメージの問題ではなく、実際にそうらしい。
ノーベル賞の22%、フィールズ賞の30%、チェスの世界チャンピオンの54%がユダヤ人だと言われる。
彼らが優秀になる理由として、両親が教育熱心であること(特に母親)や、「タルムード」といわれるユダヤの戒律の存在。
それらによって、ユダヤ人は度を超した飲酒や娯楽が禁じられ、頭脳を使うのことが娯楽化していったのではないかと推察する。

その原型が『ヴェニスの商人』のシャイロックだろう。
ユダヤの高利貸しで嫌われていたシャイロックはキリスト教徒の商人・アントーニオに金を貸す。
そのとき「返済日にまでに支払いができなかった場合は肉1ポンド(453グラム)提供する」という契約で金を貸した。
アントーニオは楽に返せるはずだった。
だが自分が所有していた貿易船が難破してしまう。
そして運命の裁判になるわけだが、ここでは話を省略する。
詳しくはシェークスピアの物語をお読みいただきたい

<話は明日につづく>