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福地温泉読書合宿レポ

4/27(金)午前8時15分、名古屋駅。
連休直前だが、まだ平日なので「みどりの窓口」は空いている。
今から高山を経由し福地温泉へ向かう。
目的は一人読書合宿だ。

08:43発の「ワイドビューひだ」に乗る。
案の定、自由席はガラガラだ。
1号車の最前列窓際に席を確保した。
構内で買ったマフィンとコーヒーをテーブルに乗せ、さっそく Kindle で本を読み始める。

「すぐに読む」ことが大切で、ここで新聞や雑誌で一息ついたり、軽くゲームでも始めようものなら、高山に着くまで読書しないだろう。
かつて、そういう一人旅をしてしまったことがある。
メルマガは家を出てくるときに仕上げてきたので、今回の旅にはパソコンすら持参しない。
読書することにコミットメントしている。

名古屋【始発】→岐阜→美濃太田→下呂と続き、次の高山で降りたが、列車は富山が終着駅だ。
美濃太田を過ぎてしばらくすると「中山七里」が始まる。
ワイドビューひだの真骨頂はこの眺めにある。
木曽川の上流・飛騨川の水がエメラルドグリーンになり、飛騨の渓谷を激しくうねり、途中、激流あり、ダムが満満と水を貯めるところありと秘境が抜群に美しい。
列車は飛騨川沿いを走る。
右からも左からも川が見えるが、名古屋駅からは進行方向に向かって左側に座る景色が私は好きだ。
日本で一番好きな列車旅コースと言っても良い。
車内販売があれば満点なのだが。

10:56高山駅着。
駅に隣接している高山バスセンターで福地温泉行きのチケットを買う。
高山から1時間10分かかり、お値段は1770円。
バスまで3時間近くある。
昼食をとり、散策してもまだ2時間ほど余ったので、カフェで読書した。
ここで遊興気分を出してしまうと、普通の観光旅行になってしまう。読書、読書、まだ集中は切れていない。

13:40高山発のバスで福地温泉に向かう。
このバスの終着駅は新穂高ロープウエイ。
つまり北アルプスの麓である。
福地温泉はその中間にあるが、かなり北アルプス側である。
北アルプスには雪が残っているが、途中の山並みは新緑だ。

14:50、福地温泉ゆりみ坂バス停で下車。お目当ての宿「草円」は徒歩3分ほどの場所にある。
チェックインしたのは私を含めて3組、6名。私以外は全員、女性だった。
前日から宿泊している人たちは2組、4名ほどか。
土日は予約困難の宿でも平日となるとがらがらに空いていてありがたい。

部屋に案内された。
ロッジ風のつくりで、床も壁も天井もすべて木。
二組ふとんが敷かれていたのが気になった。
昼寝用と夜用だろうか?
布団のスペースは畳になっており、そこが小高くなっている。
照明は控えめでテーブルと座椅子があり、正面には液晶テレビがあった。

窓の外には平湯川が雪解け水を轟轟と流している。
その向こうは飛騨山脈、さらにその奥に北アルプスがかすかに見える。
川の音以外は一切、物音がしない。
読書合宿におあつらえ向きだ。

水と茶は部屋にあるが、それ以外の飲み物は一階井戸で買う。
自販機がないので、井戸端に氷水で冷やしたソフトドリンクやビールがあり、伝票にサインして持ち帰る。
チェックアウト時に精算するシステムだ。

夕食は18時半なので、それまでの3時間半のうち2時間を読書、1時間を温泉にあてた。
作務衣に着替え、まず露天風呂に向かったのだが貸し切り状態だった。
湯につかりながら読書することにした。
Kindle 端末は水没させたらオシマイなので慎重に読書した。
出たり入ったりのくり返しをしながらの読書、しかも他に誰もいない大自然での露天風呂読書はとてもイイ。

18時半、食事処で夕食。
囲炉裏の炉端には、いわなの串焼きが出来上がっていた。
その横には五平餅もある。
「お飲み物はいかがなさいますか?」と聞かれたとき、ビールと言いかけたが自重した。
食後の読書のためにノンアルコールビールにした。

20時、近所にある「湯元・長座」の湯につかった。
600円で湯巡りができるのだ。
福地温泉でもっとも有名な宿である。
私が福地温泉好きになった宿でもあるが、風情があって素晴らしい。
ちなにみ福地温泉は「湯元・長座」「草円」以外にも「元湯・孫九郎」や「かつら木の郷」などすばらしい旅館だらけである。

もらい湯から戻ると、21時、フロントにコーヒーを頼んで部屋に持ってきてもらった。
井戸端で買ったサイダーとポカリスエットもある。
あとは眠くなるまで読書三昧だ。
とはいうものの22時過ぎには眠くなり布団で腹ばいになって続きを読書。
30分もしないうちに眠りについた。

翌日土曜日、午前5時半起床。
朝食は8時なので2時間半ある。
昨日入っていない方の露天風呂で早朝読書。
足湯、腰湯のくり返しで1時間半、貸し切り状態で読書した。

昨夜の夕食もすばらしかったが朝食も涙もの。
飛騨川で取れた新鮮なやまめの干物と朴葉味噌でいただく炊きたてのご飯、味噌汁、漬け物は最高のご馳走。
朝から3杯いただいた。
その後、本館大浴場で入浴。
ここでも貸し切り。
果たして私以外の男性客がいたのだろうか、と首をかしげるほどだった。

結論:
1.読書合宿は成功した(できれば2泊以上したい)
2.旅の間は禁酒するのがルール
3.福地温泉の宿とワイドビューひだの景色はすばらしい
4.今度は夏にやる
5.ハードカバー2冊読破という目標は十分達成した