<最近聞いた実話を元にしていますが、
「社長、
人事担当役員・ N 部長の叫びだった。
精密部品の M 社は今期10名の新卒採用を予定しているが、
あと1~
N 部長は M 社長から求人費の増額許可をもらい集客を計るが、いずれも効果がなく、今年の採用戦線は決着がつきつつあった。
「今期は8名でご容赦ください」と頭を下げるつもりでもあった。
だが M 社長は目標未達成が大嫌いで、ありとあらゆる手を講じて最後まで最善を尽くすタイプである。
「成功報酬で動いている会社もあるだろう。
N 部長が答えた。
「
「だったら、社員に協力してもらいなさいよ」
「はい、もちろんそちらも八方手を尽くしています」
「どんな手を打ってるの?」
「はい、
「社員が新しい社員を紹介したときの謝礼は幾らだっけ?」
「はい、
「まだゼロなのか・・・」
M 社長は一代で年商100億円超の精密部品商社をつくりあげただけ
天井を見上げて数秒考え、 N 部長が驚くようなことを口走った。
「社員にも紹介料を100万円支払いなさい」
「え、100万円も払うのですか?」
「
「そうかもしれませんが、社員紹介制度というのはだいたい5~
「ばかもん。よその会社はどうでもいい。
「わかりました。そのように動いてみます」
「まず社員の反応を10日ほど見て、
「親や退職者にも100万円払うのですか?」
「そうだよ、やってみなさい」
ひと月半経った正月あけ、M 社には4名の社員紹介があり2名の採用がそこから決まった。
(もちろん税金や社会保険は天引きされるが)
今回はふたりとも既存社員からの紹介だった。
紹介された甥っ子も「
ダメなら諦める人が多い中、
時には、
含蓄あるエピソードではないだろうか。