Rewrite:2014年3月22日(土)
「フランクリンの13徳」とは、節制、沈黙、規律、決断、節約、勤勉、誠実、正義、中庸、清潔、平静、純潔、謙譲である。
これらの項目は、彼が自分の人生とビジネスを発展させるために自分に課した徳目である。
これらの徳を一時に複数狙っていては、注意が散漫になる。一定期間どれか一つに注意を集中させ、その徳が修得できたら次に移る。また、順番にも工夫をこらし、基本的なものを優先している。
そして、一つの徳を一週間かけて自己チェックする。一年は52週間あるので、13徳はちょうど4回転することになる。
第一週が「節制」であれば、日曜日~土曜日までは、節制だけに注意を集中させる。チェック表に毎日、○△×の印か、点数をつけていく。これ以上詳しくお知りになりたければ、「フランクリン自伝」(岩波文庫)の137ページ以降をお読みになれば解説されている。
この方法を組織全体で用いるとどうなるか。
例えば、「基本の徹底」というスローガンを掲げている会社の場合、その「基本」自体をいくつかの項目に分けて、毎週チェックする仕組みを作ることもできる。時間厳守、服装身だしなみ、笑顔、挨拶、お辞儀、報連相、などという項目に落とし込んでいく。もちろん13項目にこだわる必要はないし、部署単位で異なる内容にしてもよい。応用は無限だ。
私自身もこうした取り組みに挑戦してきたし、組織全体で取り組んだこともある。その経験から助言を。
1.本当に必要性を感じる徳を選ぶこと。
フランクリンの徳が私にも必要だったのは半分だ。残りは、「目標意識」「素早い始動」「奉仕」「読書」「部下育成」などの項目に差し替えた。これらは私にとって本当に必要だったからだ。
2.継続が難しい。
ひとりの作業なので、フランクリンのように終生の習慣にするのには強固な意志が必要となる。しかし、継続が難しいというのは、取り組みを否定する理由にはならない、と思い何度か挑戦した。
友人二人と励まし合いながらやっている期間(2年位)が一番長く続いた。今ならネットがあるので離れた仲間とも励まし合えるはずだ。
良い経営者になろうと、理想の経営者像めざしてこの13徳システムを使うこともできる。
フランクリンが考案したこのやり方は、日々複利計算で成長をうながす効果的な仕組みといえる。応用を検討しよう。