9/30(土)、東京で「第九回マンダラチャートフェスティバル」が開催された。午後の分科会では、いくつかの小部屋に分かれて専門テーマを勉強する。私は「空海の臨書体験」の学びに参加した。
マンダラを日本に持ち込んだ空海の書を手本にしながら筆を運ぶ。
姿勢、呼吸、筆の持ち方と角度、墨の付け方などあらゆるものに基本がある。
心を集中すれば時空を超えて空海と出会うことができる。この分科会の講師は書道十段、合気道七段のアメリカ人、ウィリアム・リードさんである。リードさんは山梨学院大学で人気の客員講師だ。
「筆は心の剣です」とリードさん。うまく書こうと思わず、手本に忠実になりましょう。毎日20分の練習を週に何度か続ければ必ず上達します、と語る。
「一念、岩をも通す」といいます。あなたの一念がひとつの目標や目的にフォーカスできたら、あなたが放った矢が岩をも貫通するのですと受講者にメッセージを送るリードさん。
そこでさっそく「一念岩をも通す」の故事をしらべてみると、こんなエピソードが語源になっていることを知った。
あるとき中国の武人が夜の山道を歩いていると、物影からかすかに動くものの気配を感じた。「虎だ!」と悟った武人は真っ暗闇に全神経を集中し、気配がする方に向かって矢を放った。その矢は確実に何かに突き刺さった。武人はその場を去った。次の日の午後、その道を通った武人が昨夜の場所を調べてみたら、なんと放った矢が大きな岩を貫通していた。
「一念岩をも通す」の故事はここから始まった。
東京ディズニーランド出身の講演家・加賀屋克美さん(加賀屋感動ストアーマネージメント代表)は、講演にジャガイモとストローを多めに持参する。
普通、市販のストローでジャガイモを貫通させることはできない。
だが、加賀屋さんのかけ声にあわせて「突き通す!」と宣言し、真上から躊躇なくストローを振り下ろすとジャガイモを貫通する。
10年前にこのパフォーマンスを始めたときは、ジャガイモは馬鈴薯、ストローはマクドナルドのもの、と指定していた加賀屋さんだが、最近はジャガイモの品種もストローの種類も問わない。
矢が岩を貫くのだから、ストローがジャガイモを貫いたとて驚きはしない。だが、実際に貫いてみるとちょっとした感動がある。
よければ今夜、やってみよう。
矢ではなくストローの方を。