「20時からの活力がその町の活力だ」
ある社長がそう言っていたが、日本中、どの歓楽街に行っても閑散としている。
元気が良いのは東京の六本木や新宿などごくごく一部だけ。
それとても訪日外国人が一役買っている。そういう意味では日本中、20時からの活力が失せた。たとえば大阪の北、ミナミ、名古屋の錦、札幌のススキノ、とて例外ではない。かつて高級クラブが入っていた場所に、若者向けの低単価店や風俗店が入って表面だけは賑やかさを保っている。
バブルのころは接待利用がバンバンだったのに・・・
飲酒取り締まりが厳しくなってから家飲みが増えて・・・
炭鉱があったころは連日賑わっていたのに・・・
紡績工場があったころは・・・
夜勤があったころは・・・
往事の面影を残す歓楽街もあれば、すっかりさびれて風景が変わってしまったところもあるが、どの街も昔をなつかしむ。
『寝るな日本人』(国は夜から衰退する)と題する特集の日経ビジネス2017/09/25号が私にとってはインパクト大だった。
歓楽街に人が集まらなくなったのは人口減少と高齢化だけが原因ではないと同誌。恋愛文化の衰退や SNS の発達も大きな理由になっているという。対面で話す必要がなくなってきたのが、夜、人が集まらない理由になっているのだとか。
さらにいえば、いま深刻化している人手不足も一時的なものだと同誌。求人難を心配する余裕があるぐらいなら、需要が萎むことを心配すべきで、それが顕在化しているのが「夜間市場」なのだと指摘する。
ロイヤルホスト春日部店は周囲のライバル店を尻目に24時間営業をやめて午前1時に閉店することにした。その分、売上も利益も減るのではと心配されたが利益は増えた。つまり「夜間市場」がへこんでいることが証明されたのだ。
アジアなどの新興国ではどこへ行っても繁華街が元気だ。日本は大人の国になったのではないか、という考えもある。
だが大人と老人はちがう。
イギリスやアメリカも大国だが、日本に先がけて夜間市場の創出と活性化に取り組み成果をあげている。
日経ビジネスの特集をあなたも読んでいただきたいが、結論だけはここに転記させていただく。自分への激励もこめて。
『寝るな日本人、「夜の本能」を呼び覚ませ・・・』
★日経ビジネス
→ http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/nbo/base1/index.html?xadid=006