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リーダーに必要なこと、部下に必要なこと

「武沢さん、『○○と呼ばれた男』を読みましたか?」と K 社長。映画にもなったベストセラー小説である。
「いえ、読んでません」と私が言うと、「是非読まれるといい。後半は涙なくして読めないほどの名作です」と K 社長。「分かりました」と私はその場でAmazonに買い注文を出した。

あれから半年経つ。実はいまだに読めていない。その理由は、作者が好きになれないからだ。作者が嫌いだと作品も嫌いになりやすい。

学生時代、私は英語と社会が得意だった。その反対に、美術と理科が苦手だった。なぜ得意・不得意ができたのかを考えると、多分に先生が影響している。
英語や社会の先生のことが好きだった私は真剣に授業を聞き、宿題も真っ先に取り組んだ。美術と理科は早く授業が終わらないかと時計ばかり眺めていた。先生が好きだと、その学科の成績は伸び、先生が嫌いだと、成績は伸びない。

人は相手のことを好きになると、本能的に、相手を幸せにしたい、喜ばせたいと思うようにできている。同時に、相手からも好きになってもらうことを望む。だから英語の T 先生が大好きだった私は T 先生に喜ばれたい、褒められたい一心で英語を勉強し、やがて英語そのものが好きになった。当然、成績は伸びた。

いま想像するに、成績優秀だった W 君などは、きっとどの先生のことも大好きだったし、尊敬していたことだろう。反対に、先生のことをセンコウと呼んだり、あだ名で呼び捨てにしていた U 君などは、学業成績がまったく冴えなかったのも分かる気がする。

先生を好きになれば成績はおのずと伸びるわけである。ということは、まず、人(先生)を好きになる技術を子どもに教えれば、子どもの成績はグーンとよくなるはずである。
あるいは、先生の責任は、いかに生徒からみて魅力ある人間づくりをするか、である。

先生と生徒の関係は、職場における上司と部下の関係にも当てはまる。社長と社員の関係も同じである。コンサルタントとクライアントの関係や、医師と患者の関係、親と子の関係など、すべての関係にこの原理が当てはまる。

今日の結論:

良いリーダーとは、人として魅力がある。
良くないリーダーとは、人としての魅力が乏しい。

良い部下は、上司の好き嫌いがない。
悪い部下は、上司の好き嫌いが激しい。