製造業は QCD が大切だといわれる。
「Q」とは Quality(品質)、「C」とは Cost(原価、価格)、D はDelivery(納期)である。
「株式会社A」(山形)は41年前、QCD のすべてが不十分な会社だった」とA社長は語る。
品質は悪い。納期は守れない。唯一、価格だけは安かったので、
その当時、会社を継いだばかりのA社長は、「
社員に技術がない。工場に良い機械がない。
A社長は腹をくくった。
ないものはしようがない。あるものだけで勝負するしかない。
「納めさせていただいた製品はいかがでしたか?」「
納期についても、「明日中に必ず」
今後は先手必勝でいくことにした。
すると仕事がポツポツ舞い込むようになった。時には「Aさん、納期まで五日しかない仕事があるのだが、
そんなときこそ信頼を得る最高のチャンスだと思い、
こうしたコツコツとした取り組みが評価され、大手顧客 N 社 から機械の払い下げを受けたり、技術指導されたり、
A社長の誠実さと経営方針の確かさが客先から評価されると次はもう一度別のことで腹をくくった。
それは客先を N 社のみに絞る、という決断だった。
客先を一社にすることは本来リスクが大きくあまり良いことではな
だが、この果敢な決断が N 社の役員や幹部を動かした。やがてあたかも N 社の自社工場であるかのようにA社に仕事を任せてくれるようになった。
「Q」「C」「D」に対する要求はあいかわらず厳しいが、
A社長が最初に腹をくくってから41年経った。
先日の7/8(土)に行われた経営計画発表会では、
私も来賓席でそれを聞かせていただいたが、
経営とは日々の積み重ねであり、