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続・ある創業社長の日課

24歳から始めて71歳までの47年間、毎日欠かさず続けている4時起き。毎朝3時間勉強する N 会長(今年会長に就任)は、今もなおその習慣を続けておられる。
「きっと神様は褒美をくれる」と信じて続けてきたそうだが、個人資産と法人資産をあわせて数十億円をつくられたわけだから、見返りは充分でかい。

早朝学習の習慣だけでも常人には真似できないことなのに、N会長は会社を作った40歳から50歳までの10年間、もうひとつ誰も真似できないことに挑戦された。以下、N 会長のメールのつづき。

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朝を制覇し、時間を制覇して税理士になった私は、お客様である経営者の手本となるべく、そして、倒産しない経営を実践すべく、お金を制覇する挑戦を始めました。
といいますのも、税理士業を開業して間もない私でしたが、顧問先が倒産するという悲しい現実に何回か直面しました。誠実で真面目に努力されている経営者が会社を倒産させ、社員や家族を路頭に迷わせた責任から自らの命を絶つ人も複数あらわれました。私は強いショックを受けました。自分の無力さも痛感しました。数字を専門にしている立場から、二度と顧問先を倒産させたくない、させてたまるものかと思うようになりました。できれば日本から倒産という悲劇をなくせないものかと真剣に考え始めました。

倒産の理由はひとつしかありません。それは資金がショート(枯渇)するからです。当時、借金経営が中小企業の常識のように思われていましたが、これからは中小企業も自己資金を充実させないと倒産はなくならないと思いました。資金が増えるためには具体的にどんな経営をすべきか、反対に、何をしてはならないのかと日夜考えました。
それが毎朝4時からの勉強テーマになりました。

数字が苦手な経営者は少なくありません。そういう経営者は社員任せ、税理士任せにして数字から逃げています。まずその姿勢からただしていくことにしました。いま資金がないことが問題なのではない。資金の増やし方を知らないままで社長をやっていることが大問題なのだと説いて回りました。夜逃げや自殺者をこれ以上作りたくない一心で、私は経営者にも社員同様、厳しくすることにしました。同時に苦手な経営者でもすぐわかるようなパソコンソフトを開発し啓蒙活動を始めました。

顧問先に言葉で教えるだけなら簡単です。私は自分の考えを自社でも実践し、私の指導が実際に役立つものであることを証明しようと思いました。
まず経営の最少基盤は自己資金5,000万(借入金を返済後の資金額)だと決めた私は、毎年増資をして自己資本・自己資金を充実させることにしました。
最初、役員報酬が月額30万円で、全額生活費にいれていた私ですが、決心した時には報酬を50万円にしました。増えた役員報酬額20万円を「預かり金」として会社に預け、年度末に240万円を資本金に振り替え、増資しました。
それを10年間続けました。もちろん毎年役員報酬を上げていき、10年目には月額100万円でしたから毎月30万円だけ妻に渡し、残りの70万円を増資資金にプールし、年間で840万円増資しました。
そういった10年を過ごしたおかげで会社の自己資金は軽く5,000万円を突破し、自己資本比率は90%を超えていました。
この10年間の最大の犠牲者は私ではなく妻でした。「社員よりも生活費が低い」と嘆いていましたが、「いつかこの苦労がきっと報われるから」と理解を求めました。

実際にやってみて分かったのですが、この10年で会社と私に大きな変化がおきました。
一つ目は、私自身が会社を自分の作品か分身であるかのように慈しむ心が芽生えていたことです。つまり経営に真剣になっていたのです。
二つ目に、メガバンクがメインバンクになっていたことです。経営に人生のすべてを賭けている経営者がいることを見抜いた都銀大手は、私の会社に何度も足を運んでくれるようになりました。そしてある年、今の本社ビルを買わないかと言ってきたのです。しかも20億円を融資すると言うのです。当時の売上は2億円、そこへ借入金を20億円もするということで幹部たちは「年商の10倍も借金するなど危険です」と反対しました。私は彼らの意見をうれしく思いつつも、私は全然不安を感じていませんでした。なぜなら、いままで毎月「預かり金」として会社に蓄積してきた金額を返済に充てるだけのことですから。
私にとって、20億の返済は未知の体験ではなかったのです。

あれから何十年か経ちました。個人と法人をあわせて数十億円という資産ができ、不動産収入で年間固定費の大部分をまかなえる状態になれたのも、きびしく時間とお金を管理してきた結果だと思います。

長くなりましたが最後に、青年時代のわが人生の考え方というのは、今いい加減なことをすると、それが老いて取り返しのつかないことが起きるという自分への警告でした。老犬に芸を仕込むことができないということです。
賢者は、青春時代1日、1日の累積が老後の生活の基礎になるということを自覚して行動と判断をしているそうです。人生は高い山の頂に立って考え、そこから逆算して行動しなければ正しい選択はできないようになっているのでしょう。
・・・ (文責:武沢)

N 会長とは野呂 敏彦会長であり、その会社が NBC コンサルタンツである。私が N 会長と同社を尊敬しているのはこうした厳しい自己規制と有言実行の精神によるものがとても大きい。

★NBC コンサルタンツ https://goo.gl/uRtC4o

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