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続・ K 社の社員アンケート

(昨日のつづき)

専門商社の K 社(社員数200名)では社員の定着率悪化の原因を探るべく、大々的な社員アンケートを行った。質問は200項目以上に及ぶが、大項目としては次の12個ある。

1.ビジョンと理念
2.コミュニケーション
3.目標と成果
4.職場環境
5.規則と規定
6.採用と教育
7.評価・賃金・昇進・昇格
8.降格・降給
9.顧客との関係
10.ITと生産性
11.業界活動と地域社会
12.その他

この項目のなかで一番平均点が低かったのが「2.コミュニケーション」だった。そこで委員会をつくって実態調査を始めたのであるが、意外な問題が見つかった。「レスポンス比率が7もあった」のだ。
最初、意味がわからなかったが、レスポンス比率と K 社が造語したものとわかった。意味は、上司がレスポンスに要する時間と、部下がそれに要する時間との比率である。

1.上司が部下のメールにレスするのに要する時間:平均21時間44分。
2.部下が上司のメールにレスするのに要する時間:平均3時間12分。
「1」÷「2」がレスポンス比率なので、今回の調査では「7もあった」ことが判明した。

それだけではない。「ノーレス率」の問題も浮かび上がった。

1.上司が部下のメールをスルーする(返信しない)割合 28%
2.部下が上司のメールをスルーする(返信しない)割合   7%

K 社では「1」÷「2」を「ノーレス比率」といい、今回は「4」という調査結果が出た。

それ以外にも「稟議の承認に要する平均時間」や、「稟議の承認比率」などのデータも出た。また、稟議不承認の納得性に関するデータも出た。

「コミュニケーションの不満は数字で問題を特定できる」。それがこの委員会のトップをつとめた委員長の基本姿勢であり、それが今後続く他の委員会にも良い影響を与えそうである。

K社の改革はまだ序盤。問題を特定するところまできた。あとは、重要な問題から解決していく段階にうつる。また何か報告できることがあれば続報をお届けしたい。

※複数の方々から「社内アンケート」(約200項目)が欲しいという要望をいただきましたが、K 社オリジナルの社外秘資料であり、現時点で公開予定はないそうです。ご了承ください。