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三本の矢の教訓が残したもの

ホットヨガスタジオに通いはじめて12年。途中、ブランクの期間があったが、この運動だけがジムや水泳と違って長続きしているのは、自分の性分に合っているのだろう。効率良く汗をかけることや、時間が限られているのも都合が良い。それに周囲の大半が女性だというのも励みになる。こんなところで格好悪いところは見せられない、と男性代表としてがんばっているときがある。一人だったら決してできそうもない難しいポーズでもやれる。

先日は体幹トレーニングで四つ這いの姿勢から右足と左手を浮かすトレーニングをした。周囲の若い女性がグラグラしている中、こちらは平然とポーズを取っていたが、調子に乗ったのがいけなかった。大きくバランスを崩し、倒れそうになった。
「ムリしないで下さいね」とコーチに注意され、視線を一身に浴びる羽目に。

そのとき私は照れ笑いしつつも、何故か頭のなかで毛利元就(もうり もとなり)の教訓を思いだしていた。
元就が三人の息子の前で「一本の矢はこのようにたやすく折れてしまうが、三本の矢を束ねると、たやすく折る事など出来ない」と教えたあの有名な話である。

せっかく四つ這いでバランスを取っていたものを、足を浮かせ、手も浮かせると支える点は二つになる。そうなるとさすがにバランスが取りづらくなる。
では、バランスを取るためには支えとなる手足が何本あれば安定するのだろうか?タコやイカのように足が八本もあれば安定するのだろうか。いや、そうでもなさそうだ。

数学で「三本足の椅子はガタつかないが、四本足の椅子はガタつく理由を説明せよ」というのがあったが、こちらのホームページにその正解が載っている。
http://okwave.jp/qa/q457810.html
つまり、毛利家も三兄弟だったから絶妙なバランスだったわけで、もし四兄弟、五兄弟だったらかえってバランスを崩していたかもしれないのだ。一本でも二本でも不安定。四本五本でも不安定。一番良いのは三本で支えることなのかもしれない。

中小企業が巨大企業並に五本も十本も事業を抱えていてはうまくいくわけがない。柱を増やす前に太く長くすることを考えよう。柱が弱ってきたら新しい柱を追加するのでなく、新しいのに差し替えよう。
あくまで三本でいく。それこそがバランス経営の要諦かもしれない。