★テーマ別★

続・ベゾスの経営姿勢は Amazon ジャパンでどうか

一昨日のつづき。

8月に買った Kindleの不具合を申し出たところ、 Amazon ジャパンの対応はすばらしかった。そして言われたように単なる再起動ではなく、いったん工場出荷状態にリセットしたところ、不審な動きはピタッと止まった。再起動のもうひとつの手として出荷状態に戻すという手があることを見落としていたのだ。

たったそれだけのことなのだが、クレームトラブルの多くはその類いが多い。それよりも、Amazon ほどの会社が中小店舗のようなスピーディな対応を見せたことに驚きを禁じ得ない。その場で電話してきてくれるなんて・・・。

Amazon の創業者ジェフ・ベゾスのことを簡潔に知る一冊を読んだ。

『1分間ジェフ・ベゾス』http://amzn.to/2e38TWX

けっこうたくさんアンダーラインを引いたが、顧客サービスにこれだけ資金と情熱を注ぎ込んでいる経営者だとは知らなかった。もしこの本を読んでいなければ、私の Kindleの不具合に対して「ババをつかんだ」と泣き寝入りしていたことだろう。なにしろ、連絡がつかない。
電話に出てくれないIT 会社ばかり。この本を読んだから、カスタマーサービスに連絡したくなった次第である。

カスタマーサービスの Amazon。それ以外のジェフの一面として、こんな経営者らしいところがある。

Kindleを開発中のあるとき、ベゾスは考えていた。空港に行くときに読む本がほしいとき、車の中でダウンロードできる端末であるべきだ。
パソコンを経由しなくてもダウンロードできるワイヤレス接続であるべきだと社内で何度も主張した。ところが当時の技術社員は無謀にも「できません」と反論した。そのときのベゾスの言葉がふるっている。

「何ができるか、決めるのは僕だ。君たちはデザイナーだ。ビジネスモデルを考えるのは僕の仕事だ」

キモのところは頑としてゆずらない。そのことに関しては説明責任すらない。「僕がそれを欲しいし、それは可能だと思うから」。
妥協しないことに理由はいらない。

社員思いで優しいCEO。「社長」とすら呼ばせず、ファーストネームのジェフと呼ばせる。そうした気さくさの反面で、経営判断の厳しさや CEO という立場の重さとを混同させてはならないのだ。

一昨日、Kindle Paperwhite のマンガモデルが発表された。日本向けモデルといってよい。
従来のKindle Paperwhiteの8倍、32GBのストレージが搭載され、マンガなら約700冊、書籍なら数千冊が保存可能だという。金額は従来のKindle Paperwhite より約2千円高い。一般書籍とちがってマンガはデータ量が多いだけに、ファン待望のマシンといえるだろう。発売は明日。
http://amzn.to/2dQdqKI