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自動運転社会を控えて

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初めてダイムラー社の自動運転車(コンセプトカー)を画像で見たとき、衝撃を受けました。なぜなら、そこにあるべきものがなかったからです。ハンドルとアクセルがない自動車を見て、近い将来はこんな車が街を走るのだと思い知りました。

以来ずっと気になっていた「自動運転」について本日発刊の『社長最前線!10月号』で特集しました。
あなたは完全自動運転の社会が到来したらどうなると思いますか?

おそらく、交通事故の減少や渋滞の大幅緩和、あるいはCO2などの環境改善効果が期待されることでしょう。しかし、すばらしいことばかりでしょうか。タクシーに乗るときに車の車種を気にしないように、将来、車を利用する人の多くはメーカーや車種を気にしなくなる可能性があります。
そもそも自動車を保有する必要もなくなるわけで、自動車は完全にコモディティ化し、自動車販売市場はピークアウトするだろうと指摘するひとがたくさんいます。自動車が牽引してきた日本経済の底が抜けてしまうとまで言う人がいます。

まだまだあります。交通事故がない社会の到来は、保険や修理の仕事、カーアフターマーケットの仕事も奪います。高度な技術をもった運転士も不要になり、タクシーやトラック、バスのドライバーが仕事を失うことになる可能性があります。
パソコンの普及で印刷会社が減ったように、自動運転の普及によって衰退する業界が出てくるというのです。

しかし、それとても、ひとつの側面に過ぎません。
あらゆる角度からものを考えるようにしたいものです。そもそも今、自動車をはじめとする乗り物を利用している人たちを分析してみる必要があるでしょう。
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『「自動運転」が拓く巨大市場』(井熊均編)では、移動というマーケットを次の五つに分類しています。

1.自動車至上主義
環境性や経済性よりも自分の嗜好にあった車を選び、自らハンドルを握る人たち。「クルマ命」というコアなファン。一部の高級車やスポーツカーなどの市場。

2.自動車生活者
「1」ほどクルマそのものへの愛着はないが、環境性や居住性を重視し、多少の遠出でも自らハンドルを握る人たち。

3.マイカー&公共交通機関併用型
運転への愛着はなく、必要があればエコカーを運転するが、長距離になると迷わず公共交通機関を選ぶ人たち。

4.クルマを利用はするが、自らは保有しない人たち
カーシェアリング、タクシー、レンタカー、公共交通機関などを適宜使い分ける人たち。

5.公共交通機関オンリー
決してハンドルは握らない。近距離は乗り合いバスやタクシーを、中長距離は迷わず公共交通機関を選ぶ人たち。

そもそも「1」の人たちは自動運転をあまり利用しないと見られています。
そうした自分で運転することにこだわりを持つ人は少なくありません。
となると、「2」「3」の人たちのうち車を保有する人の多くは完全自動運転のタクシーやカーシェアリングに移行するでしょう。
つまり車が売れなくなるとすれば、「2」「3」の人たちの市場です。

では、「4」「5」はどうなのか。
ここに莫大な市場が眠っている可能性があると先ほどの著書が指摘しています。
さらに大切なことは、自動車各社の事業ドメインが変わってくる可能性です。
「自動車を生産販売する製造業」という事業ドメインから、「安全快適な移動サービスを提供するシステム企業」に変貌する必要があるのです。
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失われる市場もあれば、新たに勃興する市場もあります。それらを相殺しても今後、巨大市場が生まれると考えましょう。いや、巨大市場を生みだすのだという企業家精神が私たちに求められているのです。

★「社長最前線!」10月号(本日9/20 発刊)
http://www.e-comon.co.jp/saizensen/

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