日本では街頭でティッシュ配りをしている。しかも年間で40億個も配られている、と言うと外国人は「リアリー?」とおどろく。
「本当さ。でも受けとらない人も多くなっているけどね」というと、彼らは更に吃驚する。
広告付きのティッシュを受けとる人が減るとアルバイトの人件費がかさみ、広告効果が薄れる。
「ダースベイダーが配ってるティッシュをもらいました」と知人がメールをくれたが、最近は浴衣や水着など人目をひくコスチュームで配ることも増えている。
いずれにしてもコストがかさむことからティッシュ配りをやめる広告主が増えているのだが・・・。
「だったら俺たちにティッシュ配りを任せなさい」
と立ちあがる会社が出た。ソフトバンクグループである。
「え、ソフトバンクがティッシュ配り?」と驚かれるかもしれないが、そうなのだ。すでに一年前から都心を中心にソフトバンクグループによるティッシュ配りが行われているのだ。
(私はまだ見たことはないが)
なにもソフトバンクの正社員が配っているわけではない。
同社は世界初となる「ロボット人材派遣サービス」を開始したのだ。
その第一弾として感情認識ロボット「Pepper」を時給1,500円にてティッシュ配りのアルバイトとして派遣している。昨年7月1日より東京23区から開始しているので、すでに「Pepper」からティッシュを受けとった方も多いはず。
今後はティッシュ配り以外に、受付・販売応援にも対応予定であるほか、「Pepper」以外のロボットも投入するという。またサービス提供エリアも今後、順次拡大していくという。
→ http://response.jp/article/2015/06/18/253742.html
海外での手渡し広告事情はどうか。
外国でもティッシュ配りは皆無というわけではない。日本のやり方をヒントにして中国の都市でも同様のことが行われている。
もともと一個一元(15円)程度で売られているティッシュが無料でもらえるわけだから、大好評らしい。ただ、ティッシュではなくチラシを配ろうとすると、受けとる人が少なくなるのは日本と一緒。そこで、「さすが中国!」というべき奇抜な方法を中国の広告主は思いついた。
場所は安徽省合肥市。白いドレスを身にまとった若い女性が、歩道を歩く人の頭上に舞い降りてチラシを手渡すという作戦だ。
てっきり街灯だと思って横を通り過ぎようとしたら、街灯らしきものの上に乗った女性が体重移動し、柱のスプリングが曲がって頭上から「ニーハオ」とチラシを手渡しする。ほとんどの通行人は驚きの表情で条件反射のようにチラシを受けとる。
このワザを修得するのに女性は何時間も練習せねばならないが、高い所が怖くない人なら楽しいバイトかもしれない。なにしろ、周囲を行き交う人がみんな注目してくれるのだから。
ひょっとしたら日本でもこんな珍景がみられる日が来るかもしれない。
その光景がこちら。↓
http://matome.naver.jp/odai/2139803239049554901
斬新な宣伝といえば、昔はビラが空から降ってきたものだ。飛行機がビラを散布する。ときにはオモチャの落下傘がゆらゆらと舞い降りてくることもあった。子供たちは走ってそれを取りに行き、自慢げに親に見せたものだ。
たいていは百貨店や商店街のセールチラシだったが、いまはゴミの不法投棄とみなされ、この行為は禁止されている。
この飛行機ビラまき作戦を一番最初に行った会社はキリンビールで、総代理店だった明治屋が発案し1920年(大正5年)に行ったというから、当時の人は度肝を抜かれたことだろう。
→ http://www.kirin.co.jp/entertainment/museum/history/column/bd056_1920.html
こうして古今東西の宣伝事情をみていると人の創造力の豊かさを見せつけられる思いがする。