★テーマ別★

ウーバーがどこまで広がるか

セミナーのあと、ビア Bar で。

「武沢先生、中国やアジアではタクシーなんかに乗りませんよ。ぼくはもっぱらウーバーですね。どうして日本でもさっさとウーバーを認めないのですかね。アジアより遅れてますよ、ニッポンは」と M 氏。
なぜか憤慨しておられる。

★「ウーバー」日本 https://www.uber.com/cities/tokyo/

私はビールを楽しみながら「フンフン」と聞き流していた。

ウーバーはたしかに便利だが、私にいわせれば中国のタクシー事情が悪い(つかまらない、外国語が通じない、遠回りされることもある)ので、相対的にウーバーが支持されているのだと思う。
教育されて清潔で安心できるタクシーが発達した日本でウーバーが全面解放されていないからといってそれほど憤慨することはあるまいに、と思っている。

良いことばかりではないウーバー。事故が起きたときの責任をウーバーはとらないという。外国ではレイプ事件が起きたこともある。クレジットカード情報が流用されたこともある。もし、タクシー会社に所属するドライバーがそれをやれば、会社ごと一発退場をくらうようなことが起こりうるのが現状だ。

「先生はウーバーに反対なのですね?」と M 氏。
「いえ、賛成の立場ですよ。ただあわてて導入する必要もないと思っているだけです」

個人的にはタクシー利用が多いので、ウーバーのようなサービスが出てきて選択肢が増えることは歓迎したい。ただ、ウーバーが地方都市で利用できないことがそんなに大きな問題なのか?と逆に問いたい。

トレンドは間違いなく規制緩和の方向だろう。特に東京五輪という一大イベントに向けて、ウーバーや民泊といった新手のサービスに依存する割合はどんどん増えていくにちがいない。

そのウーバーに、先日ビックリするニュースが飛びこんできた。
なんと「無人タクシーの実験を始める」というのだ。しかも今月から実験を開始し、実用化のメドを2020年に設定しているという。

東京五輪のころにはひょっとして無人タクシーが都内を走り回っているかもしれない。

以下、記事引用。

・・・
【日本経済新聞 2016/8/20(土)夕刊】

米ライドシェア(相乗り)大手ウーバーテクノロジーズが自動運転技術の開発を加速している。米自動運転関連ベンチャー、オットーを買収、月内に米で無人タクシーの実験も始める。メーカーなどが自動運転車を使い競合サービスを始める可能性が高いとみて、サービスの実用化で先行する狙いがある。
自動運転トラックを開発するオットーは元グーグルの技術者らが創業した。ウーバーはこうした自動運転技術の優秀な人材の獲得も狙う。
既に大学の研究者を招き、技術開発を進めている。
月内にペンシルベニア州ピッツバーグで自動運転機能がついた乗用車の公道での実験走行も始める。一般利用者に自動運転のタクシーを当面無料で提供。事故が起きないよう研究者が同乗する。
道路状況などを認識する技術が発展途上であるため、詳細な地図の開発も進めている。当面の実用化目標は2020年ごろに設定している。
・・・

このベンチャー精神の逞しさには敬意を表したいし、企業人として見ならいたいと思う。