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「がんばれ!社長」もよく間違う

『がんばれ社長!今日のポイント』は本日で3,836号の配信となりました。それ以外に「号外配信」が1,576本ありますので、合計すると5,412本になります。

メルマガ創刊が2000年8月1日(火)ですので、今日まで5,770日経過しています。つまり、ほぼ毎日一本のペースで発行してきたことになります。
一本当たり平均2時間かけて執筆し、配信や更新作業もあわせると約2.5時間かけています。
2.5時間×5,412本=13,530時間(564日間)。それだけ原稿づくりに向き合ってきたわけです。だからといって特段の感慨があるわけではありません。

「原稿はどのように管理されてますか?」と聞かれることがあります。極めてオーソドックスな方法だと思います。

Dropbox で原稿管理していますが、一昨年からは Evernote にも全原稿を保管することにしました。Dropboxは2007年のサービス開始時から使ってきてとても重宝していますが、検索機能が乏しく困っていました。
あるとき、思いきって Evernote にも全原稿をアップするという挑戦を始め、コツコツ半年かけて完成させました。そのおかげで今では、「論語」について書いた記事が58本あることや「経営計画書」の記事が421本あること、その箇所まで瞬時に分かります。

過去の記事が易々と調べられる便利さは何ものにも買えがたいものがあります。同時に、背筋が寒くなることも少なくありません。誤字脱字を発見することはしばしばですが、時には間違った解釈を堂々と述べていて恥ずかしくなることもあります。見解の相違なら誰でもありえますが、誤解釈にはお手上げです。

今朝もそれを見つけてしまいました。

それは2003年6月19日号『魅力』と、2006年6月19日号『欠点と魅力』の中にあります。

2003/6/19号 http://www.e-comon.co.jp/magazine_show.php?magid=156
2006/6/19号 http://www.e-comon.co.jp/magazine_show.php?magid=1488
(奇しくも同じ6/19ですが、偶然だと思います)

「その知及ぶべし、その愚及ぶべからざるなり」という論語の一節。
上記二本の記事で私は、次のように解釈しました。
彼の賢さはマネできるが、彼の愚かさはマネできない。だから、愚かさも魅力になるのですよ、と。
要するに、わかっていながらバカをやれる人間になりましょうよ、という解釈を加えたわけだが、それが大間違いであることに13年経って気づきました。

これは、論語の「公冶長第五 21」(こうやちょう だいご 21)に出てくるこちらの言葉です。

・・・
子曰く、?武子(ねいぶし)邦(くに)に道あるときは則(すなわ)ち知なり。邦に道なければ則ち愚。其の知は及ぶべきなり、其の愚は及ぶべからざるなり。
・・・

訳すとこうなります。
・・・
孔子がこう言われました。
「?武子(ねいぶし)は、国家が治まっている時には利口に立ち回り、国が乱れている時には愚直に筋を通した。利口に立ち回るのは誰でもできることだが、愚直な振る舞いを通すことは誰でも真似ることではない」
・・・

孔子は愚かさではなく、愚直さを述べていたのです。

『殿、利息でござる』に登場する様々な商人や町人。彼らの生き方は藩から利息をもらおうとする利口さもありましたが、それは自己利益が目的ではありませんでした。町民のため、町内全体のためという圧倒的に愚直さがあったからこそ藩を動かすことができたのです。

愚直は無私の精神、公益の精神から生まれます。
その精神は生またときから持ちあわせている人もいますが、大多数の人にとっては、後天的に養うものでしょう。そして、それは大いに可能なことでもあり、同時にとても難しいものでもあると孔子が教えているのです。

13年目の訂正でした。