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変動する巨大マーケット「アジア」と和僑

北京では近年、ランドマークとなる建築が続々と出現している。その中のひとつ、地元でも人気の「北京バンプス」は日本人建築家が設計した。白と黒のユニットを上下左右に市松状に配置した奇抜なデザインが目を引く超高層ビルで、デパートと集合住宅の複合施設になっている。建築家の名は、迫慶一郎氏。ご存知の方も多いだろう。和僑会の総会(本部)会長であり、テレビ『情熱大陸』をはじめ、多数のメディアをにぎわす建築家である。

迫さんは16年前に中国に渡り、12年前に北京で独立した。ダイナミックに国づくり、街作りが進められる中国で建築をやってみたいという迫さんの願いは叶った。あらゆる面でタフさが求められる中国建築業界で頭角をあらわし、いまでは”行列ができる建築家”として中国でも名高い。

その迫慶一郎さんが6月6日(月)、名古屋和僑会で講演をされる。氏の日本での講演は珍しい。演題は、「和僑が如何に変動する巨大マーケット・アジアで戦うか」

この日は公開イベントなので和僑会メンバーでなくとも聴講できる。告知が始まったばかりだが、定員の半数はすでに埋まっているので、お早めに席を確保してほしい。和僑会の筒井修・元会長もこの日にあわせて帰国される。もちろん私も参加予定。できれば懇親会とセットで予約していただきたい。

http://ngo-wakyo.net/sakokeiichi/

Sketches

16年前の中国はまだ先行者利益があった。日本人建築家とみると「我々に何が足りないか」とよく聞かれた。だが、日本人から学ぶものはもうないと言い切る中国の関係者。むしろ「なぜ日本人に頼まねばならないのか、理由を聞かせてくれ」と言われる。

2004年に迫さんが会社を立ち上げたとき、資本金は10万米ドル(約1100万円)だった。手がけている仕事の設計料をあてにして、見切り発車の会社設立だった。いじわるな施主は外国人である迫さんに直接こう言った。「なぜ中国の建築を外国人に頼まなければならないのか?」

そんな時、迫はトウ小平が言った有名な言葉を引き合いに出す。「白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である」

中国の建築家であれ外国の建築家であれ中国ブランド建築を作れるのが良い建築家である」胸を張ってそう言う迫に拍手してくれた中国人もいた。

かつて、『AERA』の特集「中国に勝った日本人100人」の一人にも取り上げられた迫さんの凄みは、それを包み込むソフトさやダンディさだけでは知ることができない。氏の90分のスピーチを直接聞いて全身で感じ取ろう。

迫慶一郎講演(6月6日 名古屋駅前) 主催:名古屋和僑会
http://ngo-wakyo.net/sakokeiichi/