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運が味方したとき・・・

「勝負は下駄をはくまでわからない」囲碁や将棋で対局が終わった棋士が下駄を履いて会場から帰ってしまうまでは勝負の決着は分からない、ということから生まれた警句。

普段はゴルフに興味がない私でも「マスターズ」だけは特別。早起きしてテレビ中継にかじりつく。今年、唯一の日本人だった松山英樹選手が奮闘し、一時は2位まで食い込む場面があった。最終的には7位だったが、大いに楽しませてくれた。

毎年のことながら、超一流プロが、超一流のゴルフコースで最高のパフォーマンスを披露してくれるマスターズは見ていて楽しく美しい。特別なトーナメントだけに超一流プロでもプレッシャーがかかり、あり得ないミスを連発することがある。今年も最終日の前半まではスピース選手の圧勝ムードが漂っていた。ところが、後半に池ボチャを連発して大崩れ。まさかの大逆転ドラマが生まれた。「勝負は下駄を履くまではわからない」を地でいく大会だったわけだ。

それまでねばり強く堅実なプレイを続けていたダニー・ウィレット選手が初優勝。(28才、英国)彼にとってこれがPGAツアー初優勝であると同時に、マスターズのグリーンジャケットを獲得することになったわけだから大金星といえる。優勝インタビューでこう語った。

「この気持ちを言い尽くすことはできません。誰かが優勝できるこの大会で、今日は僕に運があった」

「運があった」

コツコツやってきたことが、運に恵まれて突如日の目を見ることがある。以前からご紹介している『ぬいぐるみの病院』(株式会社こころ、堀口こみち社長)は、一人のお客のツィートからクチコミが発生した。リツィートが Yahoo!ニュースに飛び火したことからネットで大ブレイク。入院患者の行列は一年以上待ちにまでなった。その余波が今度はテレビに波及。

「めざましくんを検査入院させたいのですが」とフジテレビからオファーがあったそうだ。さっそく「めざましくん時計」のぬいぐるみの検査入院の収録を終え、来週放送の「めざましテレビ」で紹介されることが決まった。燎原の火のごとく『ぬいぐるみの病院』の話題がネットやマスメディアで拡散中。堀口社長とスタッフがコツコツやってこられたことがこの半月で一気に脚光を浴びたわけで、これもひとつの「運」である。

先週末、堀口社長から伺った話では、『ぬいぐるみの病院』では入院待ちの行列を少しでも短くすべく、専門の医師と看護師を増員するそうで、スタッフ募集中のホームページをアップされた。

「多くの方に注目していただき、たくさんの問診票(入院依頼メール)を頂戴して、本当にうれしい悲鳴です。ただ、メールにお返事出来ていないことがプレッシャーになっていて、うれしいのか悲しいのか、仕事中に泣きそうになってしまいました」と堀口社長。

「自分が想像した以上に成功することはない」と言われているが、運が味方したとき、例外が起こるのかもしれない。