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ある会社の「20%ルール」

Rewrite:2014年3月21日(金)

ユニークな経営目標を掲げている会社がある。愛知県半田市にある「A製作所」では、社員に対して次の二つの目標を要求している。

1.技術系社員は、年間勤務時間(約2400時間)の10%を自由研究の時間に使うこと(10%ルール)

2.売上高の20%は、過去4年以内に出した新製品で占めること(20%ルール)

A製作所は、大手自動車メーカーの協力会社として10年前までは売上のほぼ100%が一社に依存していた。現社長は2代目社長として12年前に社長就任。何とかして会社の存在基盤を強固にし、名実ともに独立した企業に育てることを目標にした。

あるとき、ポストイットやスコッチテープでおなじみの「3M」というアメリカ企業に関する本をよみ、上記の基準を知る。「これだ!」と膝をたたいてさっそく渡米。「3M」の本社があるミネソタまで飛んだが、アポがなく工場見学の許可は得られなかったが会社のふんいきを体で受け止めて帰国。

A製作所では、この社内基準をスローガンに終わらせないために、評価制度の中にもこの基準値を取り入れ、社員に絶えず変化することを要求し続けてきた。この目標を掲げて約20年、紆余曲折はあったものの、売上高に占める一社の依存度は最高で30%まで下がり、自社開発の製品・部品も開発できて順調に売れているという。

「変われ、変われ」と号令を発するだけでなく、どう変わってほしいのかを具体的にリクエストすることが大切なのである。