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エレベーターで勝負する

Rewrite:2014年3月21日(金)

米国ハイテクベンチャーの総本山・シリコンバレーでは「エレベーターピッチ」なる言葉がある。これは、エレベーターで乗り合わせた相手と立ち話しながら、自分を売り込むことを言う。通常30秒ほどしかない。この30秒間で相手に「そりゃ面白い!」と言わせなければならない。事業の焦点が定まっていないと相手の心をつかむことはできない。

「エレベーターピッチ」とは、アメリカ特有の表現ではあるが、わかりやすいメッセージでもある。

資金を提供してくれる投資家に対して、ベンチャー企業側に与えられる説明時間はエレベーターの中よりは長い。しかし、その説明時間をもらうためには、エレベーターピッチに合格する必要があるのだ。考えてみれば、私たちも無意識に同様のことをしている。

例えば、飛び込みの営業マンが訪問してきた際、その人物にどんな対応をするかを決めるのは外見をみての最初の数秒。その後、営業マンの話し方や用件を聞き、対応を決めるのに次の20~30秒ではないだろうか。それを見事パスして初めて営業マンは椅子を与えられる。郵便物やメール処理も電話の応対もすべて同じことだ。

広告宣伝業界では、この「エレベーターピッチ」の優劣をしのぎあっている。15秒や30秒という短いコマーシャル枠のなかでしのぎをけずっている。
あなたの会社の製品やサービスが顧客に対してなにをもたらしてくれるのか、30秒で説明できるだろうか?

それぐらい、事業やサービスの焦点は明確でなければならないのである。