★テーマ別★

京都にて

一日の寒暖差が大きいとグッと色づきがよくなる紅葉。今年の京都は久しぶりの当たり年だったようで、どのお寺もきれいに染まった紅葉を見ようと多くの観光客でにぎわった。私も家族を連れて東福寺、三十三間堂、永観堂、南禅寺、清水寺、八坂神社、建仁寺を見てまわった。ピークより一週間遅かったようで、やや色が落ちていたが気分は充分に堪能できた。

昨年の紅葉シーズンはどの観光地も震災の影響で客足が鈍った。今年は当たり年ということもあり、かなり客足がもどったが、領土問題の余波で中国と韓国からの観光客が少ないらしい。

それにしても京都は一年中人を集めるコンテンツを持っていて日本一の観光都市である。春は桜、秋は紅葉と花の見頃をつくり、湯豆腐をはじめとした京料理の数々、お土産も実に豊富だ。先祖の知恵と叡智の結晶が今日の観光都市につながっている。

ただ、ソフトウエアはまだまだ不十分で外国人に対するケアに問題がありそうな場面に出くわした。どちらも些細なことではあるが当事者にとっては戸惑うことだろう。

永観堂のチケット売場。私の前にはアジアのどこかの国からお越しになった母子づれがいた。片言の英語で大人一枚、子供一枚のチケットが無事買えたようだが、コインロッカーがどこにあるのかが係員になかなか伝わらなかったようだ。
大きめのキャスターバッグを示してようやく伝わったようだ。するとその係員は、「オーケーオーケー、コインロッカー、インザパーク、アンド、ノーマネー」とロッカーがある方を指さしている。

「コインロッカーがノーマネー」で本当に伝わるのか心配だったが、意味は通じたようだ。

気になったので親子に着いていったら案の定、コインロッカーに気づかず庭園の奥に進んでいった。私は追いかけて、門をくぐってすぐにあるコインロッカーの場所をお教えした。その場所は「コインロッカー」とカタカナで書いてあるだけ。これでは外国人観光客に優しいとは言えない。

永観堂の紅葉をみてから湯豆腐で有名なお店にいった。

今度はアジア系の外国人女性が一人で席についていた。注文は無事済ませたがそのあと、料理が出るたびに係員が料理名を伝える。日本人だったら「田楽どうふです」「精進天ぷらです」で通用するが、田楽どうふは「スイート トウフ デンガク」、精進天ぷらは「ベジタブル ショウジン テンプラ」と言っていた。おそらく意味は伝わっていないだろうが不思議そうにほおばり、写真を撮っていたので満足されているのだろう。

観光のソフトウエアという面では京都といえどもまだまだやるべきことがあるようだ。