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続・あなたがよく語る話の内容はそれでいいか

※本文で登場する店名、人名はすべて仮名です。

「女性版の坂本竜馬さ」とケンがいう実可子ママ。彼女が経営するシャンパン・バーの客の多くは男性で、しかも経営者や幹部クラスが多い。自分の名を明かさず、ほとんど会話もせずに利用する客も少なくはないが、常連の多くは名刺交換をする。そうすると実可子ママの記憶にしっかり刻まれる、「こんな人がいるけど会ってみない?」、「こんなサービスを求めている企業があるのだけど対応できそう?」などのメールがしばしば届くようになる。

その結果、商談が成立するのは日常茶飯事で、企業の提携や M&A がまとまったことも何度かあるという。

たくさんのお客がいるなかで、瞬時に記憶されいつでも思い出せるお客と、そうでもないお客がいる。その差は「世界観」にあると実可子ママ。「印象的な人って皆さん世界観をお持ちだし、そうした話をしてくださるわ。こちらがお尋ねしてるのに、そうしたことを語って下さらない人は印象が薄くなりがちね」

私はその話をきいて「世界観か、いい言葉だな」と思った。

これまでセミナーなどで「理念を作ろう」「理念を語ろう」と申しあげてきたが「世界観を語ってください」に変更しようと思ったほどである。

・カジュアルメンズ衣料の商社をやっています
・本場スリランカの紅茶専門店をやっています
・食品スーパーの買い物カートを作ってます

といった業務案内ならだれでも話せる。その仕事を通してどのような世界を作っていきたいのかを語れる人はすくない。世界観を語ろう。それを聞きたいのはバーのママだけではない。お客も社員も取引先もそれを知りたがっている。

「有限会社がんばれ社長 武沢 信行」

そう書かれた私の名刺をみて実可子ママが身を乗りだした。

「がんばれ!社長さん、インパクト抜群のお名刺ねえ。一応私も社長だけど、私にどんな応援をしてくださるのかしら」と聞かれた。

ここで世界観を語らねばと思い、私はこんなお話しをした。

・・・西暦2000年、私が46歳になったときから16年間、毎日社長向けにメルマガを書いてきました。社長が元気になり、よい会社やよいお店がどんどん増えていけば、お客や社員も明るくなるし、ひいては日本がもっと元気になれる。そう願って配信を続けてきました。バックナンバーは3,700本以上、読者数は24,000人超です。これからも、可能なかぎり「がんばれ!社長」メルマガと、セミナー開催、書籍や教材の執筆などを通して日本の社長を応援し続けます。実可子ママにもまずおすすめしたいのは、今夜にでもすぐメルマガ登録していただくこと。そして明日からでも「がんばれ!社長」のメッセージや様々な情報を得ていただきたい。購読は無料ですし、いつでもご自分で登録解除もできます。・・・

「へえ、超オモシロイ。それにいまのお話しの時間も短めで最高」と実可子ママ。時々、5分も10分もひとりで話している人がいるそうだが、長話はかえって逆効果。相手に質問する余地を与える程度の短さで終わるのが最高の世界観だそうだ。

彼女はその場でスマホをつかって「がんばれ!社長」のメルマガ登録をされた。「そのかわり、武沢さんの LINE の ID を教えるのよ」とママ。今後の連絡はそれになるらしい。

恥ずかしがらず、堂々と世界観を語ったおかげでメルマガ読者が一人増えた。ひょっとしたら、私も六本木に足を向けて眠れなくなるかも知れない。