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志×勤=経営、志×勤=人生

小さい子供は知的好奇心が旺盛でいろんな事に対して「なぜ?なぜなの?」と疑問符が付くようだ。「お父さん、どうして果物はみんな丸いの?」とか「どうしてお風呂に入ると人の体もあたたまるの?」「どうして運動会の駆けっこの早い人と遅い人がいるの?」などと聞かれて即答できずに困ったことがあった。

同様に、セミナーなどで基本的な質問を受けて面食らうことがある。「武沢先生、自己資本比率が高いとどんなメリットがあるのですか?」「武沢さん、利益率が高い方が良いのは分かったのですが、高ければ高い方が良いのでしょうか。適正な利益というものがあるのでしょうか。適正利益をどのように定めたら良いのでしょうか?」

要するに、経営に求められる安全性・収益性・成長性の尺度を何にもとめ、その値をどこに設定するかという質問だが、それは各社各様、各人各様なのである。自分で好きなように決めてそれを目標にすればよい。

例えるなら、あなたの身体の健康目標を設定するとき、体重体脂肪で目標設定する人もいれば、血圧、コレステロール、中性脂肪、血糖値、尿酸値などで目標をたてるひともいる。美肌や小顔などの美容面で目標をたてる人もいるだろう。ジムやヨガに通う回数や何かの大会で優勝するとかタイムを更新するなどの目標もある。どれにしようが自由なのだ。

経営もそれらと一緒で、どのような目標をたてても良い。また、それは経営者としてのあなたの器やビジョンによって決まってくる部分も大きい。では経営者の器やビジョンといったものをどのように測れば良いか。

中国古典の『書経』にこんな言葉がある。

・・・功の崇きはこれ志、業の広きはこれ勤・・・

高い功績をあげるためには確固たる志が必要で、幅広い分野で結果を出すには勤勉さが必要である、という意味。つまり、「志×勤勉さ」の面積が経営者の器やビジョンを決めていると考えることができるわけだ。

「志×勤=経営」「志×勤=人生」である。志をより高く、勤勉さにより磨きをかける。そうしたことを2016年の個人スローガンに掲げ、邁進していきたいと私は思う。