「武沢さん、お久しぶり。あの時お会いした中西(仮名)です。実はこのたびメルマガを創刊しようと思い立ち、一度あなたに原稿をみてもらい、気づいたことを助言してほしい。」というメールが届いた。中西さんはデンタルクリニック(歯医者)を経営しており、メルマガを通して歯の健康にまつわる諸情報を提供しつつ、自店のブランド形成や集客ツールとして役立てたいという。
「何だかメルマガって面白そうだし、自分でもやれそうな気がするから始めよ~っと」と軽くスタートするのではなさそうだ。中西さんのように、メルマガ創刊の動機や目的を明確にしてスタートするのは立派なことだと思う。
ところが、「追伸」として次の一文があった。この一文に異議を唱えるのが今日の「がんばれ社長!」の主張だ。
・・・と、理想に燃えて創刊はしてみるものの、現実の厳しさを充分に承知しているつもりです。漏れ聞くところによれば、「がんばれ社長!」を創刊された2年半前と今とではメルマガを取りまく状況が大幅に異なり、今やメルマガ乱立過当競争の時代とのこと。はたして当方のメルマガが勝ち組になれるや否やは神のみぞ知る・・・
う~む。あなたは、いかがお思いだろうか?
中西さんは一体何を調べたうえで、「メルマガ乱立過当競争の時代」と表現したのか?「がんばれ社長!」を創刊した2年半前が、今より恵まれた環境にあったとも思えない。これは主観ではない。客観的データに基づくものである。たしかに高原状態のような伸び悩み感はある。しかしそれは、たかがこの2~3年のメルマガ全体像の話であって、個別のやり方としてはチャンスと可能性に充ち満ちていると思っている。
最大手の「まぐまぐ」が公表している月別推移表をもとにして、オリジナルの表を作ってみた。こうした表は本邦初公開に違いない。
年/月 登録誌数 発行誌数 のべ読者数 読者/発行誌数
1997/ 1/末 22 約 1万 455
1998/ 1/末 751 100万 1,332
1999/ 1/末 6,364 3,568 800万 2,242
2000/ 1/末 12,756 7,346 2,000万 2,723
2001/ 1/末 21,922 14,089 2,542万 1,804
2002/ 1/末 23,246 14,816 2,537万 1,712
2003/ 1/末 24,127 15,751 2,574万 1,634
(ミニまぐ分を含まず)
出所:
まぐまぐ月別推移表 http://www.mag2.com/magdata/magmag.htm
中西さんの指摘にあった、「この2~3年で乱立状態になった」という印象は根拠のないものである。むしろ、この2~3年はメルマガ無風状態、一部で新陳代謝が起きているだけのことだ。つまり成功の可能性はなにも変わっていない。
わずか6年間というメルマガの歴史とデータをみて、あなたは何を感じただろうか。そしてあなたは中西さんのように、それでもなお敢然とメルマガに挑戦しようとするだろうか。さらには、メルマガ勝ち組になるために、どのような考えを思いめぐらすだろうか?
せっかくのデータだ。私ももうひと晩じっくり考えてみたい。
<明日につづく>