★テーマ別★

囚人のジレンマ

●高校生のA君とB君は家も近く、部活も一緒で仲の良い友だちだった。

そんな二人のすぐ近所にC君が引っ越してきた。C君は二人の仲に加わろうとしたが、なかなか入れてもらえない。悪知恵を働かしたC君は、二人の仲を一度さいて、それから仲裁の労をとろうと考えた。

●A 君といるときには「B 君と何かあったの?」と聞く。B 君に対しても「A君と何かあった?」と心配そうに聞く。
最初は二人とも「いや、別に」と意に介さなかった。だが、たび重なるうちにA 君の心のなかに疑心暗鬼が生じた。
「こんな事をいつも聞くということは、ひょっとして B 君は僕の悪口でも言ってるのかな?」

●ついに A君はC 君に向かって「実はぼく、最近、B 君に退屈してるんだ」と思ってもいないことを口走ってしまった。「でも B 君には言わないでね」と念を押したが後の祭り。
C 君は巧妙に告げ口した。
「ねえ B 君、君の方は A 君に退屈なんかはしてないよね?」と。それを聞いて B 君はピンときた。言われっぱなしでは悔しい。
「なに、それ。どういう意味。別に僕だって A 君 だけが友だちじゃないし、陰でコソコソ言ってるやつは最初から友だちでも何でもないよ」

あれだけ仲良しだった二人の関係がこじれてしまった。C君の思うつぼである。

●これと良く似た話が、『日経ヴェリタス第 222号』に「囚人のジレンマ」として次のように紹介されていた。

・・・
共犯者の囚人 Aと囚人 Bが別々に取り調べを受ける時に
1.2人とも沈黙すれば、2人とも懲役 1年
2.共犯者が黙秘しても自分が自白すれば、共犯者は懲役 5年、自分は釈放
3.2人とも自白すれば、2人とも懲役 3年という司法取引の条件を提示されたとする。

この場合、もしあなたが囚人の一人だったとしたらどうするのが最善だろうか。

●実は、2人とも黙秘するのが最善の選択肢なのだが、もし相手が自白した場合、自分だけ黙秘していたら最悪の結果になってしまう。
最善を狙って最悪になるぐらいなら、次善を狙ったほうが得だ。うまくいけば、解放される可能性もあると判断する。

その結果、2人とも自白してしまう、というのが囚人のジレンマだ。

●2人とも黙っていれば 1年で済んだ刑期が、3年になってしまう。
これは、1950年にアメリカの学者によって考案された理論で、近年盛んな「ゲーム理論」の走りとも言えそうだ。
こうした思考メカニズムを体系化してノーベル賞を受賞する学者も出ている。それが、政治、外交、経済、軍事などあらゆる分野で応用されているのだが、どうか悪用ではなく善用されることを願いたい。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
このメールマガジンは「元気が出る社長メルマガ」をスローガンに毎日配信しています。よろしければ、お知り合いの方々にも是非転送して教えてあげて下さい。
【発行者】有限会社がんばれ社長 代表取締役 武沢 信行
〒460-0002   名古屋市中区丸の内3-15-20 丸の内三幸ビル3階
【メルマガ登録・解除】 http://www.e-comon.co.jp/session/?page_id=3094
または、 info@e-comon.co.jp宛てに登録・解除依頼メールをお送り下さい

【公式ホームページ】 http://www.e-comon.co.jp/
【メルマガバックナンバーを見る】 https://e-comon.jp
【「がんばれ!社長」の通販サイト】 http://ganbare.pk.shopserve.jp/
【武澤 信行の電子小説シリーズ】 http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=4214
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

【編集後記】

◆今日は東京でビジネスクラスの日。とんぼ帰りですが。