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続・ペプシチャレンジ

●マイケル・ジャクソンやマドンナなどの大物を起用した「ペプシ・チャレンジ」で勢いにのるペプシ。消費者を対象に行った味の比較テストでもライバルに圧勝した。
コカコーラ社でも独自にブラインドテストをしたが、そこでも57対43で「ペプシの方が美味しい」という結果が出た。

●「時代が変わったようだ。舌の上で弾ける炭酸のパンチが特徴のコカコーラだが、もはや、刺激が強すぎるのかもしれない。まろやかで口当たりのよいペプシが好まれるようになったのだ。近年のシェア低下はひとえに味の問題だ」と当時の経営陣は判断した。
その判断を批判できる者はいまい。

●ペプシにトップの座を奪われまいと、「ニューコーク」プロジェクトが始まった。初期の試作品で市場調査した結果、新しいコカコーラは、ペプシと互角の勝負ができると分かった。
自分たちが負けるはずがない。さらに改良した1984年秋の最終試作品は、ついに53対47、54対46でペプシに勝った。

●「やった!」経営陣は大いに喜び、「ニューコーク」発売にゴーサインを出した。
「これまでで最高の自信作」とゴイズエタ社長は新製品の記者発表会で胸を張った。

●だが、私たちが記憶しているようにこの「ニューコーク」は失敗した。「惨憺たる失敗に終わった」と表現すべきだろう。
長年コカコーラの味に親しんだファンから「俺のコーラを返してくれ」と怨嗟の声や批判が止まらない。

●私もその当時、ニューコークを飲んだ。まろやか過ぎる口当たりに「エッ?」という違和感を覚えたものだが、それほどコーラ好きではなかったので怒りを感じるまでにはいたらなかった。だが筋金入りのコカコーラファンは抗議運動を展開したのだった。

●追い詰められた経営陣は結局、「クラシックコーク」の名で元の製品を販売せざるを得なくなった。新製品発売からわずか3ヶ月後の屈辱である。
新旧2種類のコカコーラが店頭に並ぶ時代もあったが、ニューコークはまったく売れず、市場からひっそり姿を消した。

●「大山鳴動ねずみ一匹」、コカコーラは大騒ぎした結果、元に戻っただけである。だが不思議なことにその後もコカコーラは、今日にいたるまで一度もペプシに世界一の座を明けわたしていない。

●この教訓から私たちは何を学ぶべきだろうか。

いくつかの要因があるといわれている。まず一つは試飲調査の方法。
缶やペットボトルを一本丸ごと飲むのではなく、一口飲んで判断するというテスト法が取られたことである。それでは第一印象が分かるだけで、本当においしいかどうかは分からない、という指摘ができる。

●また、調査会場で試飲するのと自宅などで試飲するのとでは結果が変わってくることもある。さらには、目による印象(たとえば、ボトルのデザインや色、ロゴマークなど)がある場合とそうでない場合でも調査結果が異なってくることがある。

●つまりテスト方法に対する問題提起がひとつ。
もうひとつは、味だけがシェアを決めるものではないということ。事実、コカコーラは味を元に戻しただけなのにシェアを回復した。
「最初からまずい新製品を出して、抗議運動を起こさせる作戦だった」という、うがった見方もあるが、それだけはないだろう。

あなたはこの「ニューコーク事件」でなにを学ばれただろうか。

(参考:『第1感』 マルコム・グラッドウェル著、光文社)

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【編集後記】

◆アウトレットに行っても、あれだけサイズが無かったら意味がない。あれじゃ、怒るお客もいるでしょ。結局、一日かけてネクタイ2本。家族サービスの日だったと思って我慢するしかないなぁ。