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政治家よ、この株価を見よ

●まずクイズ。

次の日本を代表する企業の株価を当てよ。だいたいの平均値で構わない。

・マツダ ・三菱自動車 ・ラサ工業 ・林兼産業 ・蛇の目
・大末建設 ・飛島建設 ・長谷工 ・中山製鋼所 ・神戸製鋼所
・アーバンライフ ・東京機械製作所 ・日本高周波鋼業 ・日金工
・日立造船 ・池上通信機 ・岩崎通信機 ・日本板硝子 ・キング工業 ・ゼット ・オリエントコーポレーション ・アプラスフィナンシャル ・築地魚市
場 ・セーラー万年筆 ・石原産業 ・世紀東急工業 ・ケイヒン ・富士興産 ・常磐興産 ・御園座 ・花月園
・日本精密 ・蝶理 ・兼松 ・日本アジア投資

●正解は「すべて100円未満」。

株価がいま、大変なのだ。
ギリシャ問題にスペイン問題などヨーロッパのユーロ不安、中国とアメリカの景気減速、円の独歩高、増税論議だけが進む国内政治。経営者にとって、これを四面楚歌といわずして何という。
日本を代表する名門企業の株価も大変なことになっている。ふた桁の株価、つまり100円を切っている会社がゴロゴロ表れているのだ。
(以下の株価は昨日の終値)

・マツダ 89円
・三菱自動車 74円
・ラサ工業 76円
・林兼産業 59円
・蛇の目 62円
・大末建設 39円
・飛島建設 73円
・長谷工 48円
・中山製鋼所 46円
・神戸製鋼所 86円
・アーバンライフ 63円
・東京機械製作所 44円
・日本高周波鋼業 80円
・日金工 50円
・日立造船 87円
・池上通信機 49円
・岩崎通信機 63円
・日本板硝子 67円
・キング工業 71円
・ゼット 90円
・オリエントコーポレーション 87円
・アプラスフィナンシャル 44円
・築地魚市場 85円
・セーラー万年筆 33円
・石原産業 62円
・世紀東急工業 47円
・ケイヒン 86円
・富士興産 57円
・常磐興産 84円
・御園座 70円
・花月園 64円
・日本精密 62円
・蝶理 95円
・兼松 77円
・日本アジア投資 50円

他にもこの倍以上、ふた桁株価が存在する。これは、二度目の敗戦株価ではないか。

ふた桁ではないものの、NEC(107円)をはじめ、ソニー、シャープ、パナソニック、任天堂、富士フイルム、リコーなども歴史的な株価にあえいでいる。

●かつては日本がどんなに悪くても明るい分野があった。ゲームがあり、アニメがあった。デジタル家電があり、エコポイントがあり、ネット通販、ネット広告、ネットゲームなどが希望の光だった。
だが、今いずれも良くない。良い業界といえば、円高メリットを享受できる輸入関連企業と震災復興関連、自転車、飲食の一部、サービス業の一部など、ごく限られている。

●この日本の危機、国難に際して財政再建論議ばかりを先行させていて良いのか、と言いたい。政治家はもっと日本企業の株価をみてほしい。市場には怨嗟の声が満ちている。空売り勢の高笑いしか聞こえないのを放置してよいのか。

●時代は今、足利末期。各地に群雄が割拠し、戦国時代が始まる直前の日本に似ている。本格的な戦国がこれから始まるわけだ。

いや、戦後の日本に似ているという人もいる。日本中が焼け野原になり、そこから這い上がっていった。

室町にしろ、昭和にしろ、こうした混乱の世相から斎藤道三があらわれ、信長が登場した。戦後では、ソニーやホンダが表れ出た。
乱世の英雄をめざしたり、一代で巨富を築こうとする野心家にとっては、この閉塞感こそチャンスである。

●政治家に期待するだけでなく、さあ、日本のため、お客のため、自分のために何を企もうか。