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出雲にて

●6月2日(土)朝。

名古屋から岡山まで新幹線で 1時間40分、岡山から特急「やくも」に乗りかえて 3時間、合計約 5時間で出雲入りした。
講演主催者の出雲商工会の前島さんが改札口で待っていてくれた。お互いに目線で相手が分かった。

●「まず、おそばですね。人気の羽根屋さんへ向かいましょう」と前島さん。実はまえもってメールでお願いしておいたのだ。

出雲の割子(わりご)そばが日本で一番うまいとおもう。信州そばも好きだし、山形そばも、新潟のへぎそばも日光そばも盛岡のわんこそばも水戸そばも好物だが、出雲の割子そばは毎日でもいける。ちなみに出雲では「釜揚げそば」も名物らしいが、こちらはまだ経験していない。

●「いやぁ、これこれ」と三段の割子そばと宍道湖のしじみ汁をいただいた。三年ぶりだが、相変わらずすばらしい。

★羽根屋 http://kenjosoba-haneya.com/

講演前なので腹八分ですませ、今日のメインイベント会場に向かった。
出雲商工会・雲北ブロック青年部の研修大会で講演させていただく。

●会場には、50人程度の経営者が勢揃いしていた。青年部というだけに、20代・30代の社長予備軍ばかり。みなさん、熱心に私の話を聞いていただいた。
途中、経営理念がある会社の挙手をもとめたところ、50社中 2社だけだった。

●そのうちのお一人が、「がんばれ!社長」を読んでいる方だった。
山崎さんといい、彼が商工会に働きかけてくれたのでこの講演が決まったのだ。株式会社出雲国大社食品の専務をしておられる。
同社は練り物の会社で、高級スーパーなどにおろしているこだわりの食品会社。今が旬のトビウオ 100%の野焼(ちくわ)を頂戴したが、冷凍ではなく生の野焼が食べられるのはこの時期だけというだけあって、風味の濃厚さとかすかな甘みが絶品である。

★出雲国大社食品 http://www.syokuhin.jp/
★出雲商工会 http://izumo.shoko-shimane.or.jp/

結局、この日は懇親会と二次会にもおつき合いし、締めのラーメンまでつき合った。

●二日目は前島さんと山崎さんにお願いして、出雲大社までおつき合い願った。休日なのに、恐縮である。
私にとって出雲大社は二度目ながら、今回のようにじっくり解説をお聞きするのは初めて。

●大鳥居をくぐって整備中の街道を歩いて行くと、結構いろんな名所がみつかった。
「釣りバカ日誌」の浜ちゃんの奥さんの実家があった。映画での設定の話だが、そのお土産屋さんは実在し、映画にも登場している。
また、「レイルウェイズ 49歳で電車の運転士になった男の物語」にも登場する出雲大社駅がある。映画のロケのとき、出雲商工会の応接室が役者の控え室に使われた。前島さんも当然、その時たくさんの役者さんに会っているが、主役の中井貴一さんが気さくで親切で、かっこよくて、今でも強烈な印象が残っているとか。
山下達郎さんの奥様・竹内まりあさんの実家(旅館)も鳥居のすぐ近くにあった。

●ご神体をうつす「遷宮」(せんぐう)は、伊勢神宮は20年に一回。
ここ出雲大社では60年に一回行われる。それが今、まさしく行われている最中で、来年、本殿が新しく完成し 5年がかりの遷宮を終える。
「本殿遷座祭」(ほんでん せんざさい)が来年5月下旬から行われ、お色直しを終えたばかりの本殿が一般にお披露目される。すでに屋根部分だけが囲いの外からも見えるが、建築美としても興味深く、はやく全体を見たい。

★出雲大社 http://www.izumooyashiro.or.jp/guide.html

●帰りの特急まで少し時間があったので、「かねや」でそばを食べた。
ここは 3年前に一度来て、感動したお店である。

★かねや http://www.tokusen.info/soba/kaneya/index.html

その後、「出雲阿国」(いずものおくに)のお墓を参った。
歌舞伎が好きになってから、創始者である彼女のことが気になる。

★出雲阿国の墓 http://www.izumo-kankou.gr.jp/211

●出雲阿国、別名を「門鍛冶屋」(もんかじや)という。

大社の鳥居(門)近くの鍛冶屋(中村三右衛門)の娘だからそう呼ばれた。出雲大社の巫女として働いていた。大社が勧進(寄付あつめ)のため、諸国巡回するのに同行し、旅先で舞った彼女の創作踊りが歌舞伎のルーツだという。秀吉も家康も阿国の舞いを観たらしい。

●出雲大社の遷宮行事に割子そば、これだけでも旅するに値する。

今回はそれに人が加わった。宍道湖七珍も堪能してみたいし、かまあげそばも気になる。もともと日本海の魚も美味いし、練り物もうまい。
木次乳業の牛乳がじつに美味いと知ったし、ぶどうが取れることから島根ワインにも力を入れている。
神が在るという語源から「じんざい」、それが「ぜんざい」になったともいう。(かなりこじつけだが)よって、「ぜんざい」を出雲の新名物に育てようともしている。

●かなりがんばっている島根。

「世界遺産の石見銀山も観たいし、来年、もう一度来ますよ」と前島さんと山崎さんに約束し、家路についた。