●会議のあと「お時間があれば ”とろしゃぶ” でもいかが?」と P 社長に誘われた。近所のまぐろ料理専門店の看板メニューらしい。
富山と新潟でぶりしゃぶを堪能したことがあるけれど、とろしゃぶは知らなかった。美味そうだったので二つ返事で OK しお供した。
●カウンターに座ってまず刺身を注文しようとしたら、お通しがまぐろの三種盛りだった。赤身、中トロ、大トロの刺身がお通しで出されるなんてビックリだ。さっそく恵比寿ビールで乾杯し、さきほどの会議の内容を二人で反すうした。やがてほろ酔い気分になったところでP 社長が、実は家庭がうまくいっていないという話を始めた。
●「先生、高校二年になる息子が私や家内の言うことをまったく聞かなくなりました。小学生までは親や兄弟を大切にする本当に優しい子だったのに、何があったのか分かりませんが不良グループに入ったようです。勉強はしないし、いつも夜中になるまで帰って来ない。朝帰りもしばしば。髪の毛はリーゼントで近々バイクの免許を取ると言っています。今度は暴走族入りでもするんじゃないかと思うと不安で、眠れません。仕事の問題には免疫ができているのですが、我が子のことには免疫がないようです。どうしてこんなことになっちゃったのでしょうか?」
●一気に重い空気が漂ってきた。あえて私は陽気そうに「元気があっていいじゃないですか」と返答した。
しかし P 社長は表情を変えずに、「先生、そういうのを元気があるというのでしょうか?」という。
「たしかにそれはご心配ですねぇ」と合わせる私。だが、なにが理由で息子さんがそうなったのかは分からないので、うつむいて黙々とまぐろをほおばるしかない。
●P 社長は質問の矛先を変えた。
「たしか先生のところもお子さんのことで大変だったとメルマガに書いてありましたよね。一番上の娘さんが家出されたとか?」
「ええ、そんなことがありました。もう 5年前ですよ、よく憶えていらっしゃる。たしかに長女は 20歳になってすぐに大学をやめて家出し、そのままシアトルでアメリカの男性と結婚しました。その後、二人を許しましたので、今は家出ではなく親の公認のもとで独立したことになっています」
●「でもそのときはご心配だったでしょう?」
「子供が何歳になっても親は親ですからね、そりゃあ心配はしますよ。でも心配のしすぎはよくない。子供なりに目標や目的をもってやっているのでしょうから」
「ま、一杯どうぞ。刺身のあとに焼き物と煮物が出ますから。そのあと、いよいよメインのとろしゃぶです」
「いいですね」
●「先生、実はですね、私の場合は子供の心配をしているというより、頭に来ていると言ったほうが近いんです。胸ぐらでもつかんで、ふざけるな!と大声で息子に言いたいし、実際にそれを言いそうです。そうなったら家出してしまうようにも思うし、でも我慢ならないし。先生ならどうされますか?」
●「お気持ちは分かります。私も息子に勘当を言い渡したことがありますから。でも辛抱強くなることが一番大切だったと思っています。子供と一緒になって親までキレていたら、おさまるべき鞘(さや)がなくなります。あなたという鞘はいつまでも変わらず息子を受け入れる用意ができていなければなりません」
●「黙ってニコニコしていろと言われるのですか?」
「それができれば最高です。しかし失礼ながらあなたにはできないでしょ」
「ええ、ニコニコなんて絶対できない」
「だったら我慢強く接しましょう。親として心配しているという気持ちを伝えることと、決して無茶や乱暴をして人や自分をけがさせることがないようにと」
●「息子は帰ってきてくれますか、親の元へ」
「必ず帰ってきます。中学まではとても良い親子だったわけでしょ、だったら大丈夫ですよ。今は放蕩息子にみえますが、やがてひと皮むけた孝行息子になって戻ってきてくれます。それまでの間は根気強く待ちましょう。私の長男も今は優しくて働き者の息子ですよ」
「先生、乾杯! 大将、とろしゃぶを急いで」
●その後のとろしゃぶはこの世のものとも思えぬ絶妙な味わいだった。
・・・
ペテロがキリストのもとに来ていった。
「主よ。兄弟が私に対して罪を犯したばあい、何度まで赦すべきでしょうか。7度まででしょうか。」
イエスは言われた。
「 7度まで、などとはわたしは言いません。7度を 70倍するまでといいます。』
(新約聖書 マタイの福音書18:21~22)
・・・
●「 7度許すべきですか?」と聞いたペテロの本心は「主よ、私は 7度も許さねばならないのですか?」と言いたかったのではなかろうか。
それに対してキリストは、いえいえ 7度はおろか、その 70倍、つまり永久に許し続けるのですよ、と教えた。その教えはペテロにとって衝撃的なものだった。
●度量を大きくするということは、いかなる不都合なことがあっても抗議したりキレたりしないということ。
単に黙って耐えることでもない。一貫したメッセージを愛情込めて発信しつづけることを言う。
時にはこちらが未熟でキレてしまうことがあったとしても、あとからそれを後悔し、次回はキレないように懸命に自重する。そんなこちらの姿をみて、相手も何かをくみ取ってくれるはずだ。
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