●一年は長いか、短いか?
年をとると一年が早く感じられるようになるが、それは脳の海馬に記憶する記憶量が減っていくからだと言われている。子供の頃はすべてが新しいので記憶すべきことだらけ。だから一年は長い。
年をとると多少のことでは驚かなくなるから、海馬に記憶すべき事柄も減っていくから、一年が短く感じられるようになるそうだ。
●ということは、一年が長いか短いから加齢によるよりは心の若さによるのではないか。当たり前のことであっても当たり前と感じることなく感謝感動する。未知のことにもどんどんチャレンジするし、冒険もいとわない。そんな人は年配者であっても一年が長い。
●もうひとつ言えそうなことは、年をとると未来を描きやすくなるように思う。
たくさんの経験があるから、3年後や5年後なんてあっと言う間に想像できるしその気になれば10年後も分かるようになる。
ただそれは「こうなるだろう」という予定や見通しに過ぎないので、できれば想像力を働かせて、見通しとは異なる夢やビジョンを描けるようになりたいものだ。
●話は少しずれるが、先日ある経営幹部が社長の自慢をしていた。
「うちの社長は私より10歳も年下なのですが、不思議なカリスマ性を持っているんですよ。うちの会社は3年以内にこうなる、と言えば本当に3年後にそのようになるんですから。私は自分のことだって3年後は分からないのに・・・。だから若くても社長がつとまるんだとは思います。とても同じ人間とは思えない」
●私はその社長を存じ上げているが、彼はカリスマでも何でもない。
3年後にこうなるといって、そのようになるのはある意味当たり前のことなのだ。
それは、目標を作って発表する回数に比例しているのである。
●社長の仕事は経営計画を作って発表することである。計画通りに進んでいなかったら計画を変えるか行動を変えるか、両方を変えるかの三択である。
●それが社長業なのだから、年柄年中あす以降のことを考えている。だからその部分の頭脳がどんどん発達する。
一方、幹部以下の社員はそうした脳の部分を使うことは稀である。だから、社長が凄く感じられるだけのことだ。
誰だってその部分の脳を使えば社長のようになれる。
●ワタミの渡邉美樹会長は、「目標をカラーに保て。カラーに保つためには、いつも目標と現実を照らし合わせ、目標を変えずに計画を最新のものに変え続けることだ」と述べているが、そのようなことを幹部も社員もやり続ければ、だれだって経営力はついてくるものである。
●まずは Wish-List をたくさん書けるように育てよう。
次に来年の個人目標や仕事目標がスラスラと書けるようにしてあげよう。
目標を達成するための行動計画を作らせてあげよう。仕事を通してそれらのことが毎月、毎週、必要とされるような運営を心がけよう。そうすれば社長のように経営力が備わった人材がたくさん育つようになる。