●昨日号で山形訪問記を書いたところ、経済産業省のブロック機関、「東北経済産業局」の方からメールを頂戴した。
東北を訪れての講演ならびに山形の豊かな食を紹介いただき感謝します、とあった。「ごらんいただいた通り、東北はがんばってます!」とも結んであった。
梅雨が明け、被災地ではこれから暑さが本番。大変なご苦労かと思いますが、日本中、いや世界中から祈りが送られていますので、がんばって耐え、難局を乗りこえていただきたいと思います。
●さて、この季節の山形といえばサクランボ。
圧倒的な国内シェアをほこり、品種も佐藤錦や高砂、ナポレオンなどたくさんある。だが、それぞれの品種の旬は短く、ほんの一週間ほどだという。旬のサクランボに出会えたら本当にラッキーというわけだ。
私が訪れた7月9日はサクランボシーズンの最終盤で、紅秀峰という大粒で甘い品種がピークを迎えていた。さっそく頂戴したが、モチモチした食感で実に甘い。最高品種といわれる佐藤錦よりこちらが好きだという人もいるそうだが、それもうなずける味わいだった。
★山形のサクランボ http://www.yamagatakanko.com/cherry/info.html
●ところで、今回の主催者・アサヒ印刷の岩見社長の「Wish List」には “山寺に毎週登る” という夢が書いてあるそうだ。
ご自宅から山寺が近いこともあってトレーニングと参拝をかねて往復1時間歩いてみたいとか。
「武沢さんも明日、名古屋に戻る前に一緒に登りませんか?」と誘われた。暑くなりそうだったが「じゃあ是非」と登ってみることにした。
●最初のうちはうっそうと生い茂った森林の中を歩いて行く。
空気もヒンヤリし、森林浴もできて夏でも心地よいが、登り一辺倒なので呼吸がすぐに乱れる。中間あたりの「仁王門」からは山肌が露出し、ごつごつした大きな岩が目立つようになる。
これが本当の「岩見」ですね、と言おうとしたが、そんな冗談も言えないほど息があがる。木陰が減ったせいで、一気に汗が噴き出る。
持参していたハンカチでは追いつかなくなり、売店でタオルを買った。
●「山寺」ときくと私は、松尾芭蕉の句を思い出す。
「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」
元禄2年(1689年)、「おくのほそ道」をたどって今の7月13日に山寺を訪れた松尾芭蕉が詠んだ句である。
私が訪れたのは7月10日だが、まだ蝉の声を聞くことはできなかった。
ただ、本当に閑かである。もし蝉がなきはじめたらみんなこの岩肌にしみ入るのだろうなと感じた。
●山寺は正式には宝珠山・立石寺といい、貞観2年(860年)に清和天皇の勅願によって慈覚大師が開いたものである。
つまり芭蕉が来る800年以上も前からある天台宗の修行山である。
国の指定重要文化財の根元中堂には、慈覚大師作と伝えられる木造の薬師如来坐像が安置され、伝教大師・最澄が比叡山にともした灯をここ立石寺にも分けてある。
その後、織田信長が延暦寺を焼き打ちにし、再建するときになって、この立石寺から分けたという不滅の法灯を拝むこともできる。
★山寺 http://yamagata6.blog118.fc2.com/blog-entry-53.html
●全身汗びっしょりになって下山した我々は、サクランボソフトクリームとラムネを楽しんで身体を休めた。
帰りの新幹線まで一時間あったので、岩見社長ご夫妻と冷しラーメンをご一緒した。
●この冷しラーメンも山形の名物なのだ。
1951年(昭和26年)の夏、山形市の栄屋本店の常連客が「夏には冷たい蕎麦を食べるんだから、ラーメンも冷たいのが食べたいな」と言った。それがきっかけで、店主の阿部専四郎さんが開発したメニューである。その後、1年間の研究を経て翌・1952年の夏「冷やしラーメン」として発売した。
いわゆる冷し中華とは違って見かけは本当のラーメン。最近、コンビニで売られたのがきっかけとなって全国でも食べられるようになってきた。
●県外からも観光客がここ栄屋さんに訪れるそうで、食事時には行列ができる。私も初めていただいたが、これなら定期的に食べてみたいと思えるお味だった。
★Facebook(山形の冷しラーメン)
→ http://www.facebook.com/media/set/?set=a.10150256062641552.361102.703031551
●さて、今回の100名セミナーを企画された株式会社アサヒ印刷さんという会社について少し触れておきたい。大変すばらしい取り組みをされているからだ。
印刷専門のコンサルタントが各地でアサヒ印刷さんの取り組みを紹介していると聞いたことがあるが、地域のメディアカンパニーとして、印刷会社はこうあるべきだというお手本のような挑戦をされ続けている。
従来からの印刷業務の他に、セミナーやイベントの企画、広告代理、インターネットなど時代の変化にあわせて会社も変わってこられた。
●岩見社長のご案内で、7年目になるという本社屋も見学させていただいたが屋内外ともピカピカである。
「高収益企業は例外なくキレイだからうちもそれにあやかりたい」と社長の号令ですみずみまで磨き上げられている。
「まだ汚い」とおっしゃる印刷工場も、まるで最新機械のショールームのように美しい。辛うじてインクの臭いがあるおかげでそこが印刷工場だと識別できるが、臭いがなければ印刷会社に来ていることを忘れてしまうほど。
お近くまで寄られる際には、岩見社長にアポをとってお話しをうかがってはどうだろう。時には講演もされるという岩見社長から学ぶことがたくさんあると思う。
★株式会社アサヒ印刷会社案内 http://www.y-asahi.com/company/index.html