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定年について思う

●「武沢、俺も定年や!」と同級生のPから電話が入った。

1976年、大学を卒業すると同時に入社した住宅メーカーの早期退職に応募したという。35年の永年勤続表彰と退職金を受け取り、第二の人生は社長業で行く!と元気な声だった。

●彼が勤めていた住宅メーカーの定年は60才。もうすぐ65才に引き上げられるそうだが、Pはそれに先立って56才で退職する。
彼が入社した当時の定年は55才だったが、それが60才になり、やがて65才になるという。

●あなたの会社の定年は何才だろう?
当社(有限会社がんばれ社長)では、定年を定めていない。ある年齢に達したら退職していただくという考えを私が持ち合わせていないからだ。物理的な年齢ではなく、あくまでなし遂げた成果やチームへの貢献次第なので、毎日が定年のようなものだ。

●日本企業の90%以上が定年制を採用している。さらにその中の90%以上の会社が延長雇用制度を導入している。したがって本人に働く意欲があり、会社もそれを認めれば65才でも70才でも80才でも仕事ができるわけだ。

●そんな中、イギリスでは2011年10月より定年制が完全に撤廃されることが決まっている。年金支給を減らしたい国の財政事情も見え隠れするが、定年制発足の国ドイツを始め、世界のすう勢は定年制撤廃である。

●大企業で定年のない会社として有名なのは日本マクドナルド。若いスタッフが多い会社だが、すでに2006年から定年制を廃止している。

「年齢に関わりなく活躍の場を提供する事は、雇用の促進・地域社会の活性化に繋がり、ひいては日本経済全体の発展にも寄与できる」と若手社員に与える影響の大きさも強調している。

●そもそも定年制を作ったのは100年以上前のドイツ。

ドイツ帝国初代宰相・ビスマルクが年金制度と併せて定年制を導入したといわれている。当時のプロイセン軍隊の引退後の年金対策として定年を65才と定めたもの。当時、ドイツの平均寿命は30代半ば。つまり、年金制度はつくったものの、その給付をしなくてすむ方策として定年を異常に高く設定したもの。それが定年制誕生の秘話なのである。
あれから100年、人間の平均寿命は30年以上も延びたのに定年制の精神はぶれ、定年の年齢だけがほぼそのまま残ってしまっているのだ。

●「年金がもらえなくなるといけないから、働く時間をコントロールしている」なんて変な考えがまかり通ると国が滅ぶ。
いや、その前に人間が滅んでしまう。

できれば国として定年制は撤廃してもらいたいが、まずは自社でやれることからやっていこう。

1.就業規則に定年を定めない
2.職種にもよるが、極力、高齢者を採用しよう
3.年金をもらうために就業時間をコントロールしたい、という申し出があっても断固拒否し、フルタイムで働いてもらおう