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機中八策

だめだ、眠れない。今、ロス行きの機中だが寝付けない。時差ボケ予防はこの行きのフライトで充分で眠ることだと分かっている。なぜならば、2/11の16:30に日本を発ち、10時間のフライトの後、ロスに着くと同日の午前9時なのだから。だから機中で寝ないと一晩損したことになる。それで夕べは夜更かししたのに・・・。さて、寝ておかないとと思えば思うほど眠れない。あと3時間でロス到着だが、ジタバタするのはよして、このまま仕事しよう。

おかげで読書不足が解消しそうだ。本の行商人のように機内持ち込みのカバンは本だらけ。すでに4冊ほどを読破した。ここらで気分を変えて、今回の旅の目的を整理してみよう。竜馬の「船中八策」にちなんで「機中八策」とこじつけ、渡米の目的を八つ書き出した。

・英語を覚えるためのテンションを高めるために来た
・日本人向けのビジネススクールの実情をさぐりに来た
・ロス非凡会の可能性をさぐりにきた
・ロスとシスコでビジネスをやっている人と友だちになりにきた
・将来オフィスを作ったときの経費予測を建てにきた
・一人で企画し、一人で外国旅をするという経験をしておきたい
・外国からのメルマガ配信と画像日記更新を成功させたい
・普段体験できない刺激の中に身をおき、新しい自分を発見する

ぴったり八つだ。
正直に告白すれば、とりたてて用事はない。だが、それで良いのだ。

昨日の号では、英語という言語が標準ツールとしていよいよ欠かせない道具になると書いたが、今日は移動について考えたい。移動時間は私にとって戦略時間である。
なぜなら、日常的な生活エリアにいては決して会えない人に会え、決して見れない景色を見、食べられない食べ物を食べ、考えつかない発想がわき出る。とりわけ外国に来るということはその極めつけである。今日の言葉でマルセル・プルーストが語っているように、必要悪としての移動時間だけではない重要な意味があるのだ。

「ワンダーフォーゲル」というドイツ語がある。これはドイツで始まった青少年の集団徒歩旅行のことだが、本来の意味は渡り鳥、さすらい鳥を意味する。
ひとつの仮説だが、日本人の経営者や政治家に不足しているものは、ワンダーフォーゲル的な移動、とりわけ外国へ出ることではないか。

パックツアーに参加することではない。お正月のハワイのように、島に訪れる人びとの9割以上が日本人であったり、ヨーロッパの有名ブランド店が日本人が占拠されるなど、日本からの国外観光旅行は盛んだ。
だが、それは可処分所得が多い若者や、子育てから解放された主婦層の比率が高いように思う。少なくとも私の周辺の経営者で、年に数回以上も国外出張している人は稀だ。

日本人経営者が外国企業と互してコミュニケーションし、タフに国際ビジネスを展開するためには出不精であってはならない。用事がなくても出てこないと用事は作れないのだ。ットワークだと思う。きっちりとしたデータがあるわけではないが、フットワークの軽さと企業業績は比例するように思うのだ。

アメリカの場合、この広大な国土を移動するには日常的に高速道路や飛行機を足に使う。米国で成功している企業経営者の移動時間は日本の比ではない。それだけにとどまらない。
国内時差やサマータイム、州ごとに違う法律や税率などにも対応しながらビジネスと生活を営む。生きていることそのものが変化対応業の様相がある。

さきほどロスに着いた。現地時間2/11 午前10:00だ。日本時間は、これに17時間足して欲しい。今年はカラカラのお天気が続いたロスには珍しく、雨煙りだ。アメリカにわたって13年めになる児玉社長と江口副社長がBMWで空港まで出迎えて下さった。郊外のマリーナデルレイやサンタモニカ、ロデオドライブ、チャイナシアター、ハリウッドなどを散策し、和食のNOBUのレストランで舌鼓をうつ。

児玉社長は、大手複写機メーカーの営業マンとして27才で渡米。赴任先はニューヨーク。今は無きワールドトレードセンターの最上階から軒並み飛び込み訪問をして業績を上げる。その手腕と実績が買われてロスに赴任するが、そこで自分のビジネスを見つける。ヨットや外車を乗り回すほどに成功するが、さらに夢の高みに挑もうとバイオ関連製品事業に転身したのが3年ほど前。今では自社製品の幾つかが安定した収益をもたらしてくれるが今一番熱中しているのはある博士が開発したバイオ製品。

ここまで