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無理をいう

●「売上倍増セミナー」を名古屋や大阪で開催し、たいへん好評だった。

・ウリモノ
・ウル相手
・ウリカタ

に分解して考える。

次いで、
・客数
・客単価
・購入頻度

に分解し、それぞれをどうするか考える。

そうすれば売上を○割伸ばすとか、二倍にするということは夢物語ではなく、現実的な目標であることが分かる。

●社長にそのことを分かっていただき、具体的に自社では何をするかを考えるのが「売上倍増セミナー」である。
ある時、最後に感想を聞いたところ、考え違いをしている二代目社長がいた。

●氏いわく、「売上を伸ばすことは簡単ではないものの大いに可能だということがよく分かりました。ただ、今日考えたアイデアを社員に発表すると、また嫌な顔をされそうです。私としては社員にこれ以上無理をさせたくないし、そこのところが悩ましいです」

●私は質問した。「すでに業績は好調なの?」

氏いわく、「不調です。だから社員は遅くまで客先を廻って受注活動してくれたり、会議をやってくれたりしています」。

●私は秀吉のことばをお教えした。
出典は不詳だが、「主人は無理をいうなるものと知れ」と秀吉が語っているのだ。
激務の合間をぬって、たくさんの手紙を書いた秀吉。おそらくその中のどれかに出てくる一節なのだろう。

「主人は無理をいうなるものと知れ」(秀吉)

●会社経営におきかえれば、「社長は無理難題をいう人と知れ」となる。

「できません!」「無理です!」「どうやってやるのですか?」「誰がやるのですか?」と部下がムッとするぐらいのことを発案するのが社長の仕事なのである。

●みんなが賛成してくれそうなことだけをやっていては会社は傾く。

ときどき業績の悪い会社に出向く。ふつうは雰囲気が悪い会社が多い。
だが、時々、すごく和気あいあいとした居心地のよい会社がある。

「どうしてこんなに良いチームワークなのに業績が悪いのだろう」と思うが、社長がリーダーシップを発揮していないのである。
外見は社長らしい雰囲気をしていても、内面が甘いのだろう。つまり部下に甘いのだ。人が嫌がりそうなことは言わなかったり、「無理です」「時間がありません」と言われたらすぐに案を引っ込めてしまう社長では会社をリードできない。

●もちろん言い方の問題はある。主旨をよく理解してもらう必要があるし無用な反発は避けたい。キーマンに対してある程度の根回しが必要なときもある。そうした配慮はしつつも、無理を言うことに対しては引け目など要らない。それが仕事なのだから。

●最近、そんな発案をいつしたかを思いだそう。四半期に一度は部下をムッとさせ、社内をかきまわすぐらいでちょうどよい。

ただし、その変革は部下にオーバーワーク(働きすぎ)を課すものであってはならない。残業を強制してはいけない。定時の中で行う大変革なのだから、仕事を付け加えるばかりでなく廃棄することについてもあわせて指示を出すか、考えさせる必要があるだろう。

●まずは自分自身に対してなにか、大きな無理を言ってみよう!