●先週と今週、兵庫、東京、愛知で社長約50人に聞いてみた。
「今回の被災でわが業界及びわが社は、業績面においてマイナスの影響を受けそうだ」と回答した人は90%にのぼった。
(簡単な挙手アンケート)
わずか10%(5人)は「かえって忙しくなった」「忙しくなりそうだ」と回答している。
社長が感じている”予感”というものは杞憂に終わることもあるが、その通りになってしまうことも多い。だから、何を”予感”しているのかという”予感”の中味をたえず見張っていなければならない。その内容が好ましくないものであれば、好ましいものに変えよう。
●”今のままでは”という前提条件付きで業績がマイナスになるのなら、その前提条件を変えてしまえばよい。
業績を伸ばそう。
今回の被災をきっかけに、社長も会社も変わろう。成長の始まりの年にしよう。
できれば、売上を「○年」で2倍にする!という具体的な目標を作ろうではないか。
●売上を○年で2倍にする!
「○年」の中に好きな数字を入れてほしい。もし「1」という数字を入れれば、年率100%アップの成長となる。
「2」なら42%、「3」なら26%という具合だ。
それは、あなたの意思とアイデアで始まり、マーケティング力や経営管理力によって実際の成果となる。
<売上倍増計画> 何年で2倍にするか
1年でやるなら年率 100%アップ
2年でやるなら年率 42%アップ
3年でやるから年率 26%アップ
4年でやるなら年率 19%アップ
5年でやるなら年率 15%アップ
6年でやるなら年率 13%アップ
7年でやるなら年率 11%アップ
8年でやるなら年率 10%アップ
9年でやるなら年率 9%アップ(今の中国経済)
10年でやるなら年率 8%アップ
11年でやるなら年率 7%アップ
12年でやるなら年率 6%アップ
15年でやるなら年率 5%アップ
18年でやるなら年率 4%アップ
24年でやるなら年率 3%アップ
36年でやるなら年率 2%アップ
70年でやるなら年率 1%アップ(今の日本経済)
139年でやるなら年率 0.5%アップ
・・・あなたはどれを選ぶ?
●「うちの会社はマイナス成長なので50年や100年かかっても2倍なんてムリですわ」と言う社長がいる。
それはその場所でそのビジネスを、そのやり方でやっていたらムリだという話。どんな場所で、どんなビジネスを、どんなやり方でやるかを選べるのも社長の自由なのだ。まずは、どの程度の変化を起こしたいかというWish(願望)やWill(意思)をもつことが大切である。
●仮に8年で倍増(年率10%成長)したいと考えたとしよう。年率10%はこのご時世では大変なことなのは重々承知している。
しかし、そうしたいという気持ちが強ければ強いほどその実現可能性は高くなる。「どうしたら可能か」を真剣になって考えるからだ。
●まず、売上高の公式を思いだしてみよう。
「売上高=客数×客単価×購入頻度」
顧客は定着せず、何かの理由で減っていく。会社がなくなったり、引っ越したり担当者が変わって注文がストップしたりする。
従ってまずは、わが社の「顧客定着率」の数字を押さえておかねばならない。
●仮に「顧客定着率」が90%なら「客数」か「客単価」か「購入頻度」のいずれかを10%増やさないかぎり今の売上高は維持できないことがわかる。
●正しい数字目標を作るためには、そのための基礎データを確認しておこう。
あなたの会社の売上元帳を調べるか、表計算ソフトで独自の資料を作るのもよい。売上部門が複数あれば部門別で過去10年ほどまでさかのぼるのだ。
《株式会社◎◎ A部門売上元帳》
売上高 客数 客単価 年間購入頻度(年間)(顧客定着率)
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
●客数も客単価も購入頻度もアップして売上がきれいに上昇しているのが理想的だが現実はそんなにうまくいかない。商品のライフサイクルや、大口客の動向などでかなり変動しているはずだ。しかし、こうした表を作ることでおおむね、わが社の「客数」「客単価」「購入頻度」「顧客定着率」をつかむことができる。これはあなたの会社の勝算が上がる武器になる。
●あとは様々な事業や製品サービスを組みあわせ、会社全体のポートフォリオをマネジメントして増収・増益をはかっていく。
何の事業(製品やサービス)を伸ばすか、何の事業からは撤退し、何の事業は放置するかを決めるのだ。
●「伸ばす」と決めた事業については、「客数」「客単価」「購入頻度」「顧客定着率」それぞれについて向上策を考えることになる。
ここからがおもしろいのだが、続きは来週にしたい。