未分類

狭いながらも…

●昨日は「中部和僑会」改め「名古屋和僑会」の例会日。ふだんの2倍程度、数十名の方々が市内の会議室に集まった。
NHK「クローズアップ現代」をはじめ、メディアに取り上げられる機会が多くなった和僑会の勢いがここ名古屋にも着実に伝搬している。

●筒井会長のあいさつのあと、私も簡単にスピーチし、メイン講師の成田社長(北海道和僑会)にバトンタッチした。
山あり谷あり、絵に描いたようなドラマチックな成田社長の経営人生をお聞きしていると、まさしく「事実は小説より奇なり」。感動した。

●2時間の例会が終わり、懇親会場へ移動する。私は所用で帰社せねばならない。
幹事の一人が「今日の運営はいかがでした?」と聞いてきた。私は外に人を待たせていたので急ぎ足で歩きながら、「狭いながらも楽しい我が家」とだけ言いおいて会場をあとにした。

●たぶん幹事さんには主旨が伝わっていないと思う。だから今日のメルマガで補足させていただく。

規模が一気に大きくなると、当然ながら以前の雰囲気と違ってくる。
全体の2~3割が新顔ならよいが、5割以上になるとお互いが固くなる。
昨日のように常連と新顔の割合が拮抗したり、時によっては新顔の方が多くなると雰囲気は一変するものだ。
だからこそ、新しい人たちを歓迎する親切な運営が必要になる。

●「狭いながらも楽しい我が家」というが、狭いからこそ自然にアットホームな運営ができる。それが広くなったのなら、より意識的に新しい人たちを受け入れる運営に留意せねばならない。

●昨日の例会は、一挙に2倍になって主催者が緊張してぎこちなく会を切り盛りした。ソツなくやってくれたが、ふだんのアットホームな雰囲気が出ていなかった。名刺交換タイムを最後にたっぷり設ければよいのではなく、名刺交換をすすんでしたくなるような運営が必要でその点、改良の余地がたくさんあった。

●これは和僑会の問題ではなく、会社経営の問題としてとらえてみよう。

ある社長が、「狭いながらも楽しいオフィス」と言っていた。中小企業の本社オフィスは狭いほど儲かるのだという。儲からなくなったら事務所を小さくせよ、とも言っておられた。コミュニケーションが濃密になるからだそうだ。

●「そんなものかなぁ」と思っていたら、土光敏夫さんも著書でこんなことを述べているのを最近知った。

—————————————————————-
成果があがったら報告するのではなく、よく報告するから逆に成果もあがってくる。よく報告するという行動は、仕事の質を高め、仕事のスピードを早め、成果をあげることに通ずるのである。
(土光敏夫著「経営の行動指針」より)
—————————————————————-

●オフィスが広いと上司も遠い。
報告すべきことがあってもそれが億劫になり、メールで済ませようとか、あとでまとめて報告しようと考えるようになる。その結果、報告頻度が落ち、結果的に仕事にロスが生まれ、質を落とすことになる。
部下は孤軍奮闘しているのだ。

●「ちょっと今いいですか」と部下から言われたとき、一瞬の躊躇もなく「いいよ!」と明るくレスポンスするのが上司の仕事である。
なぜなら、上司は部下をつかって目標を達成する存在だからだ。中には自らもプレイヤーとして業務を分担している上司もいる。その場合には、報告するときのルールを決めておけばよい。上司が腕章をしていたら「集中タイム」なので話しかけない、という具合。そんな場合でも腕章は一日中付けていてはならない。せいぜい一日で二時間だろう。

●「ちょっといいですか」の声を発する部下の気持ちを察してみよう。

忙しそうにしている上司に向かってこの言葉を発するには勇気がいる。
ようやくの思いで「社長、いまいいですか?」と口にした部下に対して社長がもし、”ち、面倒くさいな”というような表情を浮かべたとしたら部下はどう思うだろう。

「あ、社長は中断されるのが嫌なんだ」と思う。そうすると、上司のためを思う部下は中断させまいとする。だから、報告があがらなくなり、仕事の質を落とす。報告・連絡・相談をさせなくしているのは上司の側であることが少なくないのだ。

●そこで、オフィスを狭くするか、お互いの席を近づけるとどうなるか。「狭いながらも楽しいオフィス」に変わる可能性が高い。アイコンタクトしやすくなるし、声をかけやすくなるからだ。

●では、「広いながらも楽しい我が家(オフィス、職場)」にするにはどうすればよいか。
「狭くて楽しい」小グループがたくさん集まっていればよいのではなかろうか。

■□■□■□■□
武沢より御礼
■□■□■□■□

※2月1日号に掲載いたしました「音声ダウンロード販売に関するお問合せ」には3件の情報提供メールを頂戴しました。
いずれも問い合わせ主に転送させていただきましたので今後は直接のやりとりをお願いします。これにて受付を終了いたします。ありがとうございました。