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売上を2倍にせよ!

●「林原」が私的整理に入った。負債総額は1,000億円という。ニュースに驚いてさっそくホームページを見ようとしたら、すでに閉鎖されていた。”岡山のドン”といわれ、県の五大企業の一つだった。
地元はもちろん、全国でも有名な会社だっただけに、激震が走っていることだろう。再起を願いたい。

●さて、私は各地で「目標にしている会社はどこですか?」と聞くことがある。大都市でも地方都市でも聞いてきたが、どこへ行ってもよく名前があがる会社がある。

たとえば、中小企業の経営者にとって伊那食品工業(塚越寛会長、伊那市)は、トヨタや京セラ、ユニクロなどを上回る人気だと思う。あと、よく名前があがるのが、やずや(矢頭徹社長、福岡市)、武蔵野(小山昇社長、小金井市)、シャボン玉石けん(森田隼人社長、北九州市)、山田養蜂場(山田英生社長、岡山県苫田郡)、ジャパネットたかた(高田明社長、佐世保市)、ネッツ南国(前田穣社長、高知市)だろうか。まだまだあるが、キリがない。

●トヨタの幹部がまとまって見学に来たという伊那食品工業の場合、なんと50年連続増収増益だという。50年といえば半世紀である。たしか、アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソンでもその半分だったと思うが、ジョンソン社の場合は増配記録がすごい。約20年間、毎年増配してきたのだ。

●いずれにしても、プロの経営者が経営する会社は類い希なる業績をあげ、類い希なる強い組織をつくる。目先の業績を上げるために人を酷使するのでなく、まずじっくりと「人」を作っていく。やがて、その「人」が質の高い仕事をして、業績をあげ、顧客や地域から信頼される会社になっていく。経営陣以下、全社員の身体を流れる血液には理念とビジョンが浸透している。そうしたチームを作りあげるのが、リーダーである社長だ。

●特に規模が小さい会社の経営者は、人を作るだけでなく売上を作るのも上手でなければならない。いや、社内の誰よりも販売に強くなければならない。どうしても販売が苦手な場合は、大番頭クラスに販売の鬼を置くべきだろう。

●先にあげた、企業の経営者(伊那食品工業、やずや、武蔵野、シャボン玉石けん、山田養蜂場、ジャパネットたかた、ネッツ南国)の中で、一人でも販売に弱い社長がいるだろうか?
販売に弱い社長が経営して、毎年毎年増収増益を続けることなどできるはずがないのだ。

●そこであなたにクイズ。

「3年後の今日までに月間売上を2倍にせよ。これは取引だ!」と家族を人質に取られて言われたらあなたはどうするか?

よく考えてみて欲しい。

●いまが伸び盛りの会社ならたやすいだろうが、長年低迷してきた会社にとっては3年で2倍なんてムリだ、と考えがちである。
しかし、家族を取られるわけにはいかない。懸命に知恵をふりしぼって作戦を考えるだろう。

●70年で2倍にするなら年率1%アップで良いので簡単だが、3年で2倍ということは年率26%アップが必要だ。中国経済でも9.8%成長なので、26%は大変だ。だから、懸命に知恵を出すだろう。
なにも今の商品を今の売り方で2倍売れと言っているのではない。新しい商品、新しい事業でもよいのである。

●あなたに充分な資金があれば、事業を買収したり、お客をもっている人材を雇えば話が早い。しかし、充分な資金がないとしたら知恵を使うしかない。その知恵が正しいかどうか市場でテストするしかないのだ。

●3年で2倍にするために私ならこう動くという簡単な例をご披露したい。

まず1週間で自らの計画を作りあげる。何を誰にどのように売るか、という計画である。それをもってキーマンを回り、事情を説明しながら売上倍増に関して助言をもらう。
より良い方法とコネを求めて毎日奔走する。そうして、三ヶ月以内に「これでイケル」という計画を固める。
その後、1~2ヶ月かけて必要な資金も集める。調達すべき金額次第では、もう少し時間がかかるかもしれないが構わない。
その後、アイデアを市場で試す。あらかじめ用意した幾つものプランの中から一番有力と思えるものから試す。

●テストとは言え、それが本番だ。どうせテストなんだからという甘い気持ちでやっていてはテストにならない。一円たりとも無駄にできないし、一分たりとも時間をロスしたくない。
寝ても覚めても3年で倍増。寝る時間以外は全部仕事に打ち込んでいる。そうした行動をするうちに、人とお金と情報と知恵が集まってくる。あなたがそれらを引き寄せるというか、どこかから湧いてくるのだ。いや、太陽や月と星の宇宙エネルギーがあなたの思考とベクトルが合い、天地自然があなたに味方する。その結果、3年で2倍はやすやすと達成するだろう。

●家族を奪われた。取りかえさねばならない。という特殊な状況が思考回路を一変させた。
あなたもその気になって、V字回復なんて生やさしいものではなく、「I」字で急上昇するようなプランを作ろう。それをもって、キーマンを回ろう。
国全体で10%伸ばそうという中国に太刀打ちするには、日本の若い経営者が小さい成長計画に汲々としていてはならないのである。

<昨日の続きは明日にします>