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はやぶさ

●昨日、渋谷に復活したプラネタリウム。
いま全国でも開業やリニューアルが相次いでいるようで、プラネタリウム人気が盛り上がっている。

小惑星探査機『はやぶさ』の人気があとおしして、天体への興味が増しているせいもあるだろうが、それより大きな理由は映像技術の進歩だろう。
従来のプラネタリウムに飽きたファンが友だちをつれて一斉にもどってくるほどの美しさらしい。

●従来の機種は、映し出せる星の数が6500個だったものが、最近のものでは500万個投影できるという。つまり770倍も精密になった。美しさも迫力も大幅にアップされ、天体の臨場感がグーンと増している。
また、アロマの香りと音楽によって癒しを演出するところもあり、天体ファンならずとも楽しめる工夫がこらされている。

●さらに最新のデジタル映像技術によって、プラネタリウムは星空をみるだけの空間ではなくなった。
平面スクリーンの映画館では味わうことができない広角度で立体感ある映像を楽しむ場所に変わりつつある。そこで恐竜の物語や自然の絶景を映し出すなど、新しいスタイルの映画館というとらえ方もされつつあるようだ。

●現在では、新居浜と北京の直径30メートルのプラネタリウムが世界最大だが、それを抜いて35メートルのプラネタリムが名古屋にできる。
これができると、現実の天体の大きさに近いものが観られるようになり、実際とのギャップがなくなるという。
私のオフィスに近いところに出来るので、来春の完成が楽しみだ。

→ http://www.asahi.com/national/update/0611/NGY201006100022.html

●昨日の日曜日、我々一行は岡山でプラネタリウムに入った。
正確にいえば数人だけで貸し切り上映してもらったのだ。ここは事業仕分けの余波で5ヶ月後に閉館が決まっているプラネタリウムだという。

日曜日の午後、岡山でマンダラ手帳(松村寧雄先生)の講演会があり、講演前のわずかな時間を利用して松村先生を含む数名で訪れた。
そこで上映されたのが『HAYABUSA』だった。

●これは、「はやぶさ」の打上げから帰還までを描いた43分もののドキュメンタリー映像で、全編フルCGで篠田三郎氏がナレーションをつとめている。

それをDVDにしたのがこちら
→ http://www.live-net.co.jp/live/hhd/index.htm#shop

●岡山の池本さんが今年の夏、YouTubeでこの映像を見て感動し、是非岡山のプラネタリウムで放映したいと思ったそうだ。

映像配給元には、全国の科学館や博物館、宇宙センターなどから多数の引き合いが来ていたが、個人からの打診は初めてだったようだ。
誠意をもって粘り強く交渉する池本さんに、「放映するプラネタリウムが見つかれば」という条件で配給許可がとれた。

今度はプラネタリウム側に交渉に行く。最初は門前払いされたが、誠意が通じ、3ヶ月限定で放映することに同意してくれた。

●こうして岡山で放映できる条件が整ったが、配給費用は個人のポケットマネーでまかなえる金額ではない。
告知と集客を上手にやらないと、経費を一人でかぶることになる。友人に助けをもとめた。
その結果、損益分岐点の8,000名集客を大きく上回る15,000人集客を達成した。プラネタリウムの館長も大喜びしてくれた。映像配給会社の幹部も岡山までわざわざスピーチしに来てくれるほどの盛況ぶりだった。

●本来なら放映期間がとうに過ぎていたが、特別に松村寧雄先生と私のために放映してくれた。
「はやぶさ」についてまったく知識がなかった私だが、こんな凄いことが行われていたのかと感動した。日本は凄い、はやぶさはすごい、この映像もすごい。
隣の席で松村先生もさかんにため息をついて感心しておられた。

●次々に起こる予期せぬアクシデントや障害を乗り越え、最後は自らの身を燃やし尽くして「イトカワ」から微粒子をもちかえった「はやぶさ」の奮闘。
この微粒子の調査結果はこれまでの天体史を書き換えるかもしれない。
意義ある仕事をなし遂げた「はやぶさ」の仕事ぶりをみていると勇気がもらえる。

あなたもどこかのプラネタリウムかDVDでご覧になることをおすすめしたい。