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青菜に塩


●障害や問題に出くわすと極端に元気をなくしてしまう人がいる。

ホウレン草や小松菜など緑色の野菜に塩をかけると水分が取られて急にしおれてしまう。だから「青菜に塩」(あおなにしお)といえば、何か不都合なことがあるとすぐに元気をなくしてしまう人のことを言う。

●A君は朝自宅で夫婦げんかをしたら一日中「青菜に塩」になる。B君は銀行口座の残高が○○万円を切ったら「青菜に塩」になる。Cさんは月次決算で赤字が出たら三日間ほど「青菜に塩」になる。D君は社長に叱られたら「青菜に塩」になる。

●誰だってうれしくない事が起きるといやな気分になる。だが問題はそのあとだ。真のリーダーならあれこれ考えず、迷わず、ふさぎこまず、すぐに立ち上がって行動しなければならない。

●あなたが真のリーダーならば、いかなる事態でもそれは必ず改善する。しかも今日、この瞬間から改善に向かって動き出す。それには、勇気をもって新しい行動を始めねばならない。座して吉報を待っているようでは沈没あるのみ。昨日と違う今日、明日を創りだすための新しいアイデアとアクションを必要とする。

●凡庸なリーダーは、神社仏閣でこんな軟弱なお祈りをするだろう。

「神様、仏様、どうか助けてください。私を守ってください。家族と会社を守ってください。どうか私たちを幸せに導いてください」と。

アメリカのケネディ大統領は、就任演説の前の礼拝で神にこう祈った。

「どうか私に困難と戦う勇気をください」

「守ってください、助けてください」と祈るではなく、「勇気を下さい」と祈った。一国のリーダーにはそれだけ強い勇気が必要とされることを彼は知っていたのだろう。一国を一社と置き換えても同じだ。
ひとつの会社を経営していくためには絶えず勇気を必要とする。

●リーダーはまず、自分の感情の見張り番を置こう。
気持ちがへこんだり、怯(ひる)んだりしたら、そのまま放置してはならない。逃げるのは最悪だ。
なぜなら、ノルアドレナリンという不幸せホルモンが出はじめるからだ。それは不安や恐怖の感情を引き起こしたり、覚醒、集中、記憶、積極性、痛みなどを感じなくするはたらきをする。そして無表情になり、ため息が多くでる。

●その逆に、明るい希望に満ちた気分からは、ベータエンドルフィンという幸せホルモンが分泌される。それはランナーズハイの時に出たり、性行為のときにも出るのだが、このホルモンをいつでも瞬時に引き出せるのが真のリーダーである。

●企業のリーダーには困難がつきものだ。線路の枕木のように困難がおそってくるが、そのたびに怯(ひる)んでいてはいけない。

「青菜に塩」はタブーである。

まず、問題を紙に書き、それを解決するだけでなくV字回復して半年以内には最高決算を出してやるための作戦を作り上げよう。
人生は2時間もあれば変えられる。会社はもっと早く変えられる。

無理してやる気を出そうとするのではなく、自然に出てくるようにしてやるのが大切だ。