●「がんばれ社長!」が主催したあるイベントに対して、経営者から問い合わせメールがきた。
「夜に “ビール会議” をやるということですが、私はビールが飲めません。会場にはソフトドリンクもあるのですか?」
一応メールで「ありますよ」と返信したものの、そんな子供みたいな心配はするな、と思った。君はオトナだし、社長ではないか。
●その翌日、別のイベントに対して男性経営者からこんな電話が入った。
「今夜のイベントは懇親会があるのでしょうか?ないのなら夕食を済ませていくし、あるのなら夕食を取らずに行きますので教えてほしい」
その伝言を新幹線の車中で聞いた私は、「まるで遠足のお小遣いにバナナの値段は含まれるの?と聞く子供みたいだ」と返答もせずに電話を切った。問い合わせを受けたスタッフはきっと困ったことだろう。
●主催者のインフォメーションが不足しているのは認めるが、たかが飲み物や食事のこと。そんな些末な問題を問い合わせてくるセンスが疑われる。このお二人のケースは特別めずらしいことではなく、イベントを主催していると時々こうしたことが起きる。
百聞は一見にしかず。聞くより行け。分からなくても行け。些事にとらわれない人間になれ、と彼らに申しあげたい。
●「和僑会があなたに何をしてくれるかを尋ねるのではなく、あなたが和僑会で何をしたいか、和僑会に何ができるかを考えなさい」とケネディのスピーチをもじって語る筒井会長。
昨日は中部和僑会の例会があり、名古屋駅前の会議室に30人強の経営者や起業家などが集まった。
●香港から筒井会長、沖縄和僑会から金城さん、東京和僑会から守屋さん、北海道和僑会から成田さん、深セン和僑会から鈴木さん、上海和僑会からコッコさんが駆けつけてくれたせいもあり大いに盛り上がった。
●和僑会が終わってある方を誘って行きつけのラウンジに行った。
ウイスキーグラスを傾けながら、その方の半生を聞いた。40代半ばの彼は、30歳のときアパレルの仕事で儲けまくった。360円しかなかった通帳が一週間後に付け足ししたら、7,200万円になっていた。その勢いで儲けまくり、ついに6億円の現金を手にした。
調子にのって年間で6,000万円を夜のネオン街に使った。しかもそれは5年間も続いた。フェラーリも乗りまわした。1本100万円のワインを飲み、親に家をプレゼントした。女性にもてまくり、100人近い社員からは天皇のようにあがめられた。
だが事業が破綻し、手元には41万円しか残らなかった。そのお金も使い果たし、親にプレゼントしたはずの家も手放し、彼はホームレスになった。ホームレスでは、かなり食べることができた。なにより気軽で楽しかったが、女性にもてないので3か月で辞めた。
その後、就職してサラリーマンになった。
猛烈に働いて今度は5年で4,000万円貯めた。
●そんな話を聞いていると酒がうまい。
彼と会うのは4回目だが、今まで自分のことを話したことがない。いつも周囲をもり立てる役目をする人だ。聞かれもしないことを話すのは彼の流儀ではないのだろう。
普段大声でよくしゃべるラウンジのママも、ひとことも話さずに彼の話に聞き入っていた。
人間それぞれ、おもしろい。