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ハインリッヒ

●大相撲名古屋場所のテレビ中継が中止された。チケットもかなり売れ残っているようで、少しでも景気を刺激してほしい中部地区にとっても痛手となりそうだ。

「これじゃ夜の花街にもお金が落ちませんね。我々もあがったりですわ」とタクシー運転手。

★名古屋場所チケット
⇒ http://event.chunichi.co.jp/yoyaku/ticket/yoyaku?p=aki&lang=jp

●野球賭博という言葉からは、なんだか鉄火場のニオイがするが、要するに手軽なノミ行為である。最初は軽いきもちでお小遣いで始めたものが、やがて抜き差しならぬ状態になっていったのだろう。
現役大関と親方が解雇されるという事態になる前に、本人や周囲が警報に気づかなかったのかと悔やまれる。

地元・琴光喜の相撲取りらしい風貌や、ファイトあふれる貴闘力の相撲が好きだったのに・・・。

●この一連の報道をみていて、私はひとつの法則を思い出した。

労働災害における経験則の一つで、1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常やヒヤリ・ハットが存在するという『ハインリッヒの法則』である。

★ http://ja.wikipedia.org/wiki/ハインリッヒの法則

●「やばいなぁこれ。いつか大問題になるぞ」と誰かが思っていることは、そのまま放置すればかならず大問題になる。問題が軽微なうちに芽を摘んでおかねばならないのだ。

●私も今までたくさんの「ハインリッヒの法則」を経験してきた。

「ハインリッヒ」さんの忠告を軽視したために、山で遭難しかかったこともある。それはこんな話だ。

●1~2日前からすでに発熱というシグナルが出ていた。山登りに熱中していた12年ほど前のこと、私は風邪で熱があるなか登山を断行した。

電車とバスを乗り継いで登山道までやってきた。水汲み場で水筒を満タンにして登山開始。

●鈴鹿連峰の鎌ヶ岳(1161m)に登るのは今日が初めてなので、事前に地図を何度も確認してきた。お天気も良好なので片道2時間半の道のりは存分に楽しめそうだ。

●最初は意識的にゆっくり歩く。それにしても今日はいったいどうしたのだろう?やけにのどが渇く。木陰に入ると汗が身体にくっついてヒンヤリして寒い。

●ちょっと歩いては立ち止まり水筒の水をグビグビ飲む。まだ20分しか経っていないのに1リットルの水筒の半分を飲んでしまった。

「ちょっとセーブしなきゃ」と水を我慢するのだが、5分に一回水が飲みたくなる。やがて、いままで経験したことがないほど身体が疲れてきた。
ちょうど一時間ほど歩いたところで、水筒の水はからっぽになった。
この先どうしようかと不安になったが、どこかで水は補給できるだろうと高をくくっていた。

●途中で渓流と滝つぼがあった。そこで顔を洗い、口をゆすいで休憩した。飲み水としては不適切だと分かっていたが、渓流の水を水筒に詰めた。これが脱水症状なんだと自覚した。
だが、ほとんど人とすれ違うこともなく、助けを求める相手がいなかった。

●ここで引き返すべきだったが、ここまで来たからには山頂まで行き、尾根を伝っておとなりの御在所岳に出ればレストランがある。
だから「登る!」と決めた。

●ようやく山頂についた。だが、そこには何もなかった。
自販機も茶店も蛇口もなく、水を分けてもらう相手もいなかった。力が抜けた私は、タバコを一本吸って下山することにした。

●下山中に、木陰にしゃがんでザックを腰にあてウトウトしていたら、「ガンバ~」という人の声がした。
偶然にもカップルが通りがかり、女性が声をかけてくれたのだった。
ハッとして時計を見たらすでに一時間ほど経っていた。

●ようやくの思いで下山し、自販機の前にたどりついた。まずはミカン粒がはいったドリンクを買い、ほぼ一口で飲み干した。次に桃の天然水を二口ほどで飲み干し、生き返った。
「ふ~っ」と一息つき、バス乗り場に向かう。その途中、またノドが渇いてしまった。バス停で2~3本のジュースを買いバスに乗り込んだが、それらも全て飲み干した。

●脱水症状はこわい。その当時、こんな飲み物があれば一発で治っていたかもしれないのに。

★大塚製薬 オーエスワン
⇒ http://www.otsukakj.jp/2products/02foods/index.html

先日、朝の散歩で汗をかきすぎて、軽い脱水症状のまま午後の講演会に向かった。会場でこれを一本飲んだら一発で渇きが止まった。
美味くはないが、冷蔵庫に入れておきたい。

●さて、あなたも「ハインリッヒの法則」を知っておき、大問題に発展する前に眼を摘んでおこう。