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不況だからお客は困っている

※訂正

昨日号で、「上海万博には夜間割引入場券はない」と書きましたが、すでにありました。
午後5時から入場可能なチケットで90元で発売しています。通常チケットは160元なので、お得ですね。その他にも3回券、7回券などチケットの種類はたくさんあるようですので、お詫びして訂正します。

詳しくはこちら → http://jp.expo2010.cn/rwpw/pwgz.htm

では今日の本題。

●「がんばれ社長!」で何度もご紹介してきた会社の株価がこの一年で2倍になった。この経済環境のなかで、しかも地方の製造業の話である。
自分でも紹介しておきながら株を買うという発想にいたらなかったのが少々悔やまれる。

●その会社は、昨日の「カンブリア宮殿」に取り上げられた株式会社エーワン精密である。

世間では「売上げが伸びないから」という理由で値下げに踏み切る会社が多い。
値下げして売れば少しは売上げが確保できるから、何も手を打たないよりはマシという考えである。その気持ちは分からないわけではない。
たしかに何も手を打たずにジッと我慢しているだけよりはマシかもしれないが、もっと良い方法がある。

●それは、値下げせず価格を維持したまた売上げを作ることだ。

理想をいえば、自社の持ち味を訴求し充分にお客を納得させれば、値上げすることだって可能になる。エーワン精密はお客に値下げを期待されない会社になった。正確にいえば、創業以来一度も値下げしていないそうだ。お客から頭を下げてお願いされる会社になれば良いことを教えてくれている。

●昨夜のテレビをご覧になった方も多いと思うが、同社の創業者・梅原勝彦(うめはら・かつひこ)氏の経営姿勢はきわめてわかりやすくシンプルだ。
番組を制作放映したテレビ東京のホームページにはこう書かれている。

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日本の町工場が、利益が出るか出ないかであえいでいるなか、ケタ外れの利益を叩き出している町工場がある。山梨県に工場を持つ「エーワン精密」だ。創業以来39年間の経常利益率は、なんと40%!
不況下の勝ち組であるユニクロの14.8%(2009年8月期)をも遥かに上回っている。それを一代で築き上げたのが梅原勝彦だ。そんなエーワン精密の工場には、高収益の秘密を探ろうと、日本中から毎週のように同業者が見学に訪れる。
主力商品は『コレットチャック』。工業製品の精密加工を影で支える必需品だ。しかし、エーワン精密にはオンリーワンの技術はない。
エリート社員でもない。さらに、創業以来1度も値下げをしておらず安さで勝負もしていない。一見どこにでもあるような町工場が、なぜこれほどの利益を上げられるのか!? 創業者の梅原が高収益の秘密を全て明かす!
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結論から申し上げれば、

・高収益の秘密(1) 価格を死守する「短納期」
・高収益の秘密(2) 数字の“裏”を読む
・高収益の秘密(3) “親子の絆”が会社を強くする

ということだが、詳しくはこちら↓
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/list/list20100510.html

●エーワン精密の取引先でもある日本電産の永守重信社長はこう語る。
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「エーワン精密さんの何がすごいって、経常利益率がとんでもなく高い。39期連続で35%を超えてます。何でそんなことが可能なのか。それは圧倒的な短納期という強みがあるからです。よそが1週間から2週間かかるところ、注文を出したら翌日に届く速さやからね。ウチもようけ(たくさん)エーワン精密さんから買うてますが、『ちょっと値段まけて』と言いたくても、よう言えへんのですわ」
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●客先が「値段まけて」と言えない結果、借入金ゼロ・自己資本比率は90%超になった。

不況だからこそ客先も困っているのだ。お客は何に困り、どのようにしたら問題解決できるかを考え、それを手助けする会社になろう。
エーワン精密はそれだけをやってきた会社といえる。だから、この1年で株価が2倍になったのだ。

●日経BP社から一昨年、同社の秘密をさぐるDVDも出ている。
「がんばれ!通販」でも取り扱っているのでご興味のある方は研究して自社の今後に活かしてほしい。

『最強の20億円企業 エーワン精密の秘密DVD』(日経BP)
⇒ http://ganbare.pk.shopserve.jp/SHOP/NB018.html