昨夜は「がんばれ!ナイト」の日。
昨年3月から、毎月一回以上のペースで東京・虎ノ門で開催している読者イベントが「がんばれ!ナイト」。
メルマガ読者ならどなたでも3,150円で参加できる2時間程度のナイトセミナーで、私自身も毎回、脳みそがかき混ぜられるほどの刺激を受けている。
「がんばれ!ナイト」のスタイルは基本的に三つある。
1.ゲスト講師を招くゲストイベント
2.武沢ワンマンセミナー
3.話題の本の読書会
いまのところゲスト講師を引き受けてくれる人や、自ら講師に名乗り出てくれる人が多いため、「武沢ワンマン」と「読書会」はまだやったことがない。
これまでの講師陣は私が見る限り”最強”で、それぞれの分野のエキスパートばかり。
常識で考えれば、ノーギャラ(居酒屋招待だけ)で来ていただけるなど考えられない人ばかりがゲストとしてお越しいただいている。
昨夜のゲスト講師は『すごい会議』の大橋禅太郎さん。
「また大橋さんか・・」と思われるかもしれないが、そう、またなのだ。
氏をお招きするのは五度目くらいで、もっとも多い。その理由は明快で、禅太郎さんの方から「次はいつ僕の出番ですか?」とマメに連絡をくれるのと、私がまた聞きたいから。
昨夜のテーマは、「経営計画はこうして落とし込めば社員の熱意に変わる!」というもの。
五度目のスピーチとはいうものの、まったく同じ話をするほど大橋さんも武沢も野暮ではない。
昨夜のポイントは、『すごい会議』の手法を用いて経営計画を社員に浸透させる技術と哲学を学んでもらおうというもの。
そこで今日と明日の二日間をつかって、禅太郎さんのスピーチで得られた私の気づきをあなたとシェアしてみたいと思う。
大橋さんのメッセージを伝えているかのように書くが、あくまで私の気づきなので、大橋禅太郎さんの主張と食い違っているところがあれば、その文責は私にある。
経営計画とは約束の集まり
私たちは「過去」の出来事、事実、データなどについては抵抗なく発言することができる。
たとえば、「前期の売上げは7億でした。その前の年は6億でした」という具合に、それが客観的な事実なのだから、隠しておきたい事でないかぎりスラスラと発言できる。
では、「未来」はどうか。
「一昨年は6億でした、昨年は7億でした。では来年は?ずっと先の将来、会社はどうなっている?」と聞かれると口ごもってしまう。
私たちは未来のことを滔滔と語る訓練はできていない。何を語っても自信なさそうな話し方になってしまう。
客観的な過去の事実とはちがって、未来のできごとは主観であり、何一つ確定していないからである。
では、「経営計画」とはどのようなものか。それは主観のかたまりである会社の未来を語ろうというものである。
もし社長が作った経営計画ならば、それは社長一人の思いが綴られたものである。
その内容がどのようなものであれ、社員からみれば、「それは違う」と感じがちなものだ。素直な社員なら「へぇ、そうなんだ」程度には思ってくれるだろうが、「素晴らしい、是非そうしましょう」というリアクションを社員に期待することはできない。
なので、社長個人の主張に過ぎない経営計画を無理やり落とし込もうなどとは考えるべきではない。
ではどうすれば良いか。
会社のことや未来のことを話題にするのではなく、社員のこと、しかも今現在の社員のニーズや関心事項に話題を集中することである。
社員は、直面している目の前の問題を解決したいと思っている。それは勤務時間や残業のことかもしれない。目標未達のストレスかもしれないし、上司や同僚との人間関係かもしれない。
その話題に触れていない将来の計画を何度聞かされたところで、社員の問題解決にはならないのだ。
だから、社長がひとりで作った経営計画書は、あくまでたたき台に過ぎないと思おう。何度だって面倒くさがらずに作りかえるつもりで、社員の意見を素直になって集めよう。そちらの方が、はるかに強気で攻撃的な経営計画ができあがることが多いのだ。
社員から出てきた問題提起や問題解決のアイデアを経営計画に取り込んでいくには、『すごい会議』のやり方がそっくりそのまま役にたつ。まだ知らない方は、『すごい会議』の本を読んでほしい。
★すごい会議 http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=2445
(秘伝すごい会議とあわせて読むのがおすすめ)
社員から経営計画用のネタを集めるのである。
それには、次のような質問を社員に発し、社員の思いをその場でメモ用紙に書いてもらうことである。
・・・
あなたは一年後、どのような成果が出ていればご自身にとって最も価値がありますか(2分で書く)
・・・
決して「後日、レポートにて提出」などとやらないほうが良い。意見が集まらなくなるからだ。
書いてもらったメモを順に発表していく。読み上げるだけでよく、補足解説は不要である。それは時間を節約するためと、特定個人の発言の会議の方向が左右されるのを防ぐためである。
<今日はここまで、明日に続く>