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うんうん唸る

●「さあ今日もメルマガを書こう」とパソコンを立ち上げる。
スラスラっと書き始められる時だったら、二時間後にはもう出来ている。
だが、何を書いても以前のものと重なる気がして手が動かないときがある。そんな時は一本のメルマガができるのに最低三時間はかかってしまう。

●「書くべき事が見つからない」というときもあせらずに悠然と書棚をながめていればいい。初心者の頃は、ネタ切れが恐くて少しは書きためたものを持っていたが、今は全然ない。
本棚にある本のタイトル群が、今日書くべきテーマを啓示してくれるからだ。

●だが時々、まったく啓示してくれないこともある。そんな時は、本棚の前に立ってそこにある本をランダムに選び、パラパラとページを繰っていけばよい。

●長くて10分もそうした作業をやっていると、本の作者のメッセージと、こちらの思い、それに過去の体験や経験などの記憶が化学反応を起こして脳裏に電撃が走る。その一瞬の火花があれば、もう一度キーボードの前に座るだけ。あとは勝手に指が動きだす。

●ただし、旅先でメルマガを書くときはこの方法が使えない。旅館やホテルでは “書棚の啓示” が得られないのでとてもリスキーだが、そんなときは旅の紀行文を書いてお許し願う。

●「書くべき事が見つからない」ときには、このように書棚を使うわけだが、時には手帳を使うこともある。

私が愛用しているマンダラ手帳にはメモ用リフィルがはさんであって、そこにいろんなメモがある。メモした段階ではそれがメルマガに使えるかどうかはまったく分かっていない。あくまで見聞きした素材にすぎないのだ。
たとえば、今の手帳にはこんなメモがある。

・カエルの名刺、おたまじゃくし
・開運グッズを売る派遣会社の社長
・”伝説のホテル” ならぬ “伝説の会社”を作ろうとする社長
・Uさんに聞いた『精子戦争』(本のタイトル)の話。スゴイ!
・ポッドキャストでマーケする
・アップルテレビが良いみたい

●たまにはこうしたメモだけで書き始められることもあるが、一番多いのは、それについての本を読んだり、ネットで詳しく調べていくうちにさらに興味深いエピソードやデータにぶつかること。そうなったら、俄然、作業が楽しくなる。書きたい気分が一気に高揚するのだ。

●読み手に一つの主題を伝えんがために、興味深いエピソードが複数組み合わさって一本の原稿が書けた時、自分でも痛快なので何度もくり返して読む。

●いかがだろうか。
今日こうして、自分自身のメルマガ発行法をふり返ってみると、書くことが一杯あるという時だけが調子良いとは限らないことが分かった。
うんうん唸って振りしぼって書いた時に思いもよらぬ一本が書けることもかなりあるのだ。「瓢箪から駒」というわけだ。

●それは、今年のお正月に似ているような気もする。

この年始に、すらすらと威勢のよい目標が作れなかったとしても気にしなくて構わない。それはメルマガがすらすら書き始められない日と同じこと。大した問題ではないし、むしろチャンスかもしれない。

うんうん唸って格闘してゆきさえすれば、思わぬ何かが生まれるはずだ。それに大いなる価値がある。
大切なことは、うんうん唸ることだけだろう。